09/09/05 井上ひさし「ふふふ」・続
今日は残り1回分
となった青春18切符を使って、自転車を担いで遠出をするつもりでした。乗車時刻に大分余裕をもって家を出て最寄り駅で自転車をパッキングしている時に切
符を持って来なかったことに気づきました。
今日のサイクリングの出発点は、十数分後に出発する電車に乗らないと夕方着となってしまうような不便な路線にあります。切符を取りに帰るには微妙な時刻
です。
あっさりと諦めました。青春18切符の有効期間は9月10日まで、仕事と天気と朝の目覚めとタイミングがあえばリトライすることにします。
出鼻を挫かれてしまった気分はおさまりません。近くの大型映画館でハリウッド活劇「サブウェイ123」を見てきました。
今週末の封切りの映画にもかかわらず160席余りのスクリーンに客は50人足らず、これでは映画館の経営も相当厳しいのではないでしょうか?古本屋と映
画館のない町には住みたくないと思っていましたが、すでに古本屋はターミナル駅まで行かないとありません。
ニューヨークの地下鉄を乗っ取り、乗客を人質に1000万ドルをニュー
ヨーク市長に要求する犯人(ジョン・トラポルタ)と、たまたま交渉役になってしまった地下鉄運行司令室の担当者(デンゼル・ワシントン)の腹の探りあいが
見ものです。
デンゼル・ワシントンはいつものように頭のいい役です。エンディングは観
客を裏切らない安心して見ていられる映画でした。
◆国民審査
最高裁判所の裁判官の国民審査結果は、投票方法と同じでなんとも分かり難
い、判断のしようのないものでした。
罷免を求める率(罷免率)は前回並みで、国民審査の対象
となった裁判官8人が信任されました。「最高裁裁判官国民審査:9人全員が信任」(毎日新聞 09/08/31)
一票の格差裁判で「合憲判決」に加わった二人の裁判官(那須弘平、涌井紀夫)も、小泉内閣でイラク戦争を支持し、自衛隊のイラク派兵を推進した元外務政
務次官・竹内行夫裁判官も信任されています。
前回、寄り道をして紹介し切れなかった井上ひさしさんの
「ふふふ」の続きを紹介します。
◆責任論雑感
04年4月にイラクで発生したNGO関係者など日本人が人質になった時に「自己責任だ。放っておけ」などの「自己責任論」が叫ばれました。
当時の外務政務次官は「もちろん、NGOの役割を我々も重視し、また協力関係もありますが、安全、生命の問題ということ
になりますと自己責任の原則を自覚して、自らの安全を自らで守ることを改めて考えて頂きたいと思います」と言っています。
この外務政務次官が最高裁判所の竹内行夫裁判官です。
「いずれにもせよ、責任、責任とそんなに言いたいのなら、国連の支持もなく大義名分(大量破壊兵器の隠匿)もなく、勝手に戦争を始めたアメリカに追随し
て自衛隊を派遣し、巨額の税金を空費しつつある現政権の責任はどうなるのか」(引用)
◆初めての外国語
竹内行夫最高裁裁判官に関係する話をもうひとつ。
戦前の政治軍人には幼年学校出身者と旧制中学出身者の二大潮流があったそうです。幼年学校出身者の大部分はドイツ語あるいはフランス語を学び、旧制中学
出は英語を学び、やがてドイツ、フランスやイギリス、アメリカに派遣されたそうです。
陸軍の中枢はドイツ語を学びドイツに留学した政治軍人が占めるようになり、ドイツでナチスの興るのを見て何かステキなものと感じ日本型全体主義が誕生し
たと言われています。
ちなみに、竹内裁判官は外交官としては言語派閥では米語派に属し日米軍事同盟を固守する立場だから、アメリカの言いなりにイラクまで自衛隊を派兵したの
でしょう。
◆ロバートの規則
ロバートとは、ヘンリー・マーチィン・ロバート
(1837−1923)でアメリカ軍の将校で、ロバートの法則という会議の進め方を著した人だそうです。
◇セカンド
井上ひさしさんは進行係として働いていた浅草フランス座で労働組合を作ろうとした会議で、組合を作ろうとの提案に力のあるものが「そんなことしなくて
も・・・」と発言し頓挫した経験からセカンド制を採用しなければならないといわれています。
セカンドとは、誰かが発言する。その発言をセカンド(支持)するものがいない場合は、議題にする必要はないという規則です。
「今の意見を支持する人がいますか?いなければ話し合いを進めます」と議事進行すればよいのです。
◇沈黙
「沈黙は同意を意味する」との規則もあるそうです。
私の経験でも会議で発言せずに、会議後に不平をいう人たちが多くいました。投票せずに政治に文句を言うようなものです。
沈黙は多数に与したことになるのです。
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