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10/04/10 小さな嘘は罪、大きな嘘は?

 今日は暖かなよい 天気、近くの大阪水上隣保館では「さくらバザー」が開催され、いつもは静かな町内も子ども連れの人たちが往き来しにぎやかでした。
 久しぶりに天王山に登ってきました。サントリー山崎蒸留所横を抜け椎尾神社からの登りでは息が上がりましたが、しばらく歩くうちに呼吸が整うようになっ てきました。
 山の中では木々の芽吹きが盛んで、桜、椿、山吹、シャガ、菫、山頂付近ではツツジが咲いていました。
 山にももうすっかり春が訪れていました。



  西山太吉さんらが1972年の沖縄返還時の財政負担をめぐる密約文書の開示を求めていた裁判で、東京地裁は密約の存在を認め、国に文書の開示を命じる判決 を言い渡しました。杉原則彦裁判長は、文書を破棄したされることの立証を国に求め、「国民の知る権利をないがしろにする国の対応は不誠実だ」と述べたそう です。(「沖縄返還文書 日米密約の存在認め開示命令 東京地裁」朝日新聞 10/04/09)

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 沖縄返還協定に基づき、日本政府は特別支出金として総額三億二千万ドルを米国側に支払った。だが、その中には本来、米国が負担すべき軍用地復元補償費な どが含まれていた。
 特別支出金以外にも“秘密枠”が存在し、莫大(ばくだい)なカネを日本が積んだ。それらの密約は、米国側の公文書などから判明してきたが、日本国民は重 要な情報から疎外されたままだった。
-----------------(「沖縄密約判決 返還の深い闇に光を」東京新聞社説 10/04/10)

 国が日米交渉で合意した内容を国民にひた隠しにしてきたのはなぜでしょう?
 疚しさがあったからではないでしょうか。交渉結果がどう見ても対等な関係とは思えない屈辱的な交渉結果だったからではないでしょうか。この国がアメリカ に従属する傀儡国家であるということを見破られるのが怖かったのでしょう。
 相手国が「密約」があったと認めても「ない」と言い続けてきたのです。

 チャップリンの「殺人狂時代」に「一人殺せば殺人者、百万人殺せば英雄なのか」という台詞がありますが、小さな嘘は罪になり国が国民を騙す大きな嘘は罪 に問われないのです。

 河北新報のコラムに次のように書かれていました。長いですが全文引用させていただきます。
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 谷川俊太郎さんの詩「ひみつのうた」の一節が頭に浮かぶ。<しいっ/ひみつ/ひみつ/ほんとのことはすべてひみつ/うそのことだけみんなにしらせろ>▼ そんなふうに、「ほんとのこと」を隠し通そうとする国の態度は許されない。沖縄返還の際、日米両政府が交わしたとされる密約文書の開示を求めた訴訟で、東 京地裁が密約の存在を認め、すべての文書を公開するよう命じた
 ▼軍用地の原状回復費を日本が肩代わりする。そうした約束などなかったと、自民党政権は40年近くも否定し続けてきた。米国で密約を裏付ける公文書が次 々と公開されても、交渉の当事者だった元外務省局長が密約の存在を認めてさえも▼密約を示す文書は十分探したけれど見つからない。捨てたという記録はな い。だから「不存在」。外務省のそんな怪しげな論法が通るはずもない。「国民の知る権利をないがしろにする不誠実な対応」。地裁の指摘に深くうなずく
 ▼谷川さんにはこんな詩もある。<うその中にうそを探すな/ほんとの中にうそを探せ/ほんとの中にほんとを探すな/うその中にほんとを探せ>(「うそと ほんと」)▼うそか、ほんとかいちいち疑いの目を向けなければならない政治はごめんだ。国民に情報を開き、信頼関係を紡ぐ。国はその覚悟を示すべきだろ う。
------------------(「河北春秋」河北新報 10/04//10)

 大きな嘘をつく奴らは
「うそのことだけみんなにしらせろ」、嘘だけを国民に知らせてきた のです。
 「密約はない」といい続けてきた歴代の政府高官、外務省幹部にはその罪を償わせなければならないと思います。
 一日も早く日米安保条約を解消し真の独立を果たしたいものです。

 岡田克也外相は判決を「そのまま受け入れることはないと思う。控訴の可能性を検討する」「調査の結果、外務省に(該当の文書が)ないことは明白だ。それ 以外の答えはない」と強調したと報じられています。(「
岡田外相、控訴を検討=沖縄密約『文書はない』」時事通信 10/04/09)
 民主党政権の限界でしょう。
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