10/08/02 朝
日俳壇、歌壇より
大阪で幼い子ども
が部屋に置き去りにされ死んでいたことがわかり母親が逮捕されるという事件がありました。
なんともやり切れない事件です。子ども手当てなどと現金をばら撒くより、政治には先にしなければならないことがあるのではないでしょうか?少子化担当大
臣のイスを作っても魂が入っていなければ意味がありません。
子どもは国の宝です。
今日の朝日川柳に<いたいけない児が救えない長寿国>(大津市・小寺陽一)が入選していました。そのとおりですね。
ノーベル賞学者・益川敏英さんが「科学とは中立であり、科学を学んでいるからといって平和主義者になるわけではなく、科学を戦争に使うか平和に使うかは
努力次第だ」といわれています。「益川さんが新法則?解く」(しんぶん赤旗 10/08/01)
原子爆弾を開発した科学者のことを思いました。
2日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇諍いの因は夜来の暑さらし(東京都・家泉勝彦:長谷川櫂選)
我が家でも先日、里帰りをしていた娘とちょっとしたこと
で諍いがありました。直接の原因は些細なことでしたが、年をとって諍いに参戦するほどの気力もないこの頃です。
◇汗となる渇きの水を飲みにけり(新潟市・岩田桂:長谷川櫂選)
熱中症の予防に水を飲めといわれので、せっせと水を取ります。1時間余の散歩には500mlのペットボトルを飲みきり、一日に2リッター以上の水分を取
りますがすべて汗となって出ています。
◇水馬(あめんぼう)流れに乗りて流れざる(別府市・梅木兜士彌:大串章選)
流れの表面に膜があるようにアメンボウは流れの中でも流されることはありません。じっと同じところに留まっています。
人生は下りのエスカレーターを上っているようなものとの例えがあります。何もしないでいれば前には進めません。じっと同じところに留まるアメンボウは偉
い。
◇雨去れば次は暑さの覚悟かな(枚方市・石橋玲子:稲畑汀子選)
雨が降れば少し涼しくなりますが、雨上がりには猛烈な暑さが戻ります。今年の暑さは妙に堪えます。
◇蝉鳴くや一斉といふ刻のありて(大阪市・山田天:稲畑汀
子選)
我が家の周りでも蝉の鳴き声が朝早くから夜遅くまで喧しいことです。
雨が降り始めるとピタと鳴き止み、雨が上がると一斉に鳴き出します。蝉にはリーダーとかコンダクターがいるのでしょうか?
◇蛞蝓のぬめりぬめりと老いてゆく(上尾市・中野博夫:金子兜太線)
ナメクジにはナメクジの生き方、私には私の生き方、老いて死んで行くことは仕方のないこと。
◆朝日俳壇
◇寝たきりを左右に転がし撫でゐれば母尋ねけり「まだ生きとんか」(神戸市・寺嶋知子:佐佐木幸綱選)
「まだ、私はいきているのか?」と尋ねる老いたる人の言葉は悲しい言葉です。
自分のいるのはこの世か、あの世か、どこを彷徨っているのでしょう?楽しい思いをしているでしょうか?
◇お祭りの二日(ふたひ)をひと日にする案に皆賛成す年寄り増えて(飯田市・草田礼子:高野公彦選)
村のお祭りの日程を二日から一日にしようと誰かが提案すれば皆賛成ですんなりと決まってしまった。限界集落なんて名前もあるそうで、地方が捨てられてい
くのですね。「地域主権」と叫ぶ政治家にもこんな現実は届いていないことでしょう。
◇自転車で一気に下る沈下橋通学かばん袈裟懸けにして(神戸市・小田玲子:永田和宏選)
沈下橋というのはどこにもありますが、四万十川の沈下橋が有名です。沈下橋は水面に近い場所に架けられていますから、川を渡るためには土手を上り下りし
なければなりません。笹山久三さんの「四万十川」の光景がが目に浮かびます。
◇びわの木にびわの実熟れて乳房(ちちふさ)のごとき形よ
ふるさとの夏(福島市・美原凍子:永田和宏選)
久しぶり?に美原凍子さんの歌です。
ビワノキニ/ビワノミウレテ/チチブサノ/ゴトキカタチヨ/フルサトノナツ
いつもリズムのよい歌です。
◇がん治療高額にして諦める人あり去りしその後知らず(岡山市・小林道夫:永田和宏選)
高額医療費が負担できずに治療を受けない人がいるのは当然の世の中とは悲しいことです。
京都民医連第二病院院長の門祐輔さんの「田中飛鳥井町 いのちのカルテ」に、貧しくて診療を受けない人のことが書いてありましたが、私も高額の医療費
は負担できません。医療難民とでもいうのでしょうか?
◇自殺者が三万人のこの国の笑顔ばかりが並ぶポスター(赤穂市・堀百合子・馬場あき子選)
前項に続き貧しさのこと、自殺者が何年の三万人を超えているのは政治の問題なのに、選挙ポスターはそ知らぬ顔の笑顔ばかりとは皮肉なことです。
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