11/10/18 朝日俳壇、歌壇より
「99%のための
社会を」とアメリカウォール街を取り囲むデモ(集会)がアメリカ全土に広がって、OccupyChicago(オキュパイ・シカゴ)どと地名を付けた運動
となっているようです。
わずか1%の金持ちが6割もの財産を握り、99%の人たちは貧しい生活を強いられているのはアメリカも日本も同じことです。
アメリカの所得税は30%〜35%、株取引による所得に掛かる税金は僅か15%だそうです。この金持ち減税はブッシュの時代に実行され、オバマになって
からも維持されています。
アメリカの傀儡である日本政府も、ますます大企業、金持ち優遇の税制を推し進めてきます。ちびっ子財務大臣はG20で「消費税を10%に」と国際公約?
しました。
ウォール街で始まった運動は日本にも広がって「反貧困」の運動となりつつあります。
私たち99%に金はないが、1票はあります。選挙で力を示しましょう。
◆俵万智さん
俵万智さんの次の歌をTwitterで知りました。
子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え 俵万智
俵万智さんはシングルマザーで仙台で3・11に遭われたそうです。西へ西へと今は西端の沖縄におられるとか。
条件が許すなら西へ西へと逃げて欲しい。
10月17日付けの朝日新聞の俳壇、花壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇澄む水に澱む心を映しをり(泉大津市・志賀道子:大串章選)
澱んだ水に澄んだ心を映していると思いがちですが、現実はこの歌のように澄んだ水に澱んだ心を映しているものです。
◇夕焼の廃校に忘れものあり(熊本市・坂崎善門:大串章/金子兜太選)
廃校、廃村、廃と名の付くものにはなぜか哀愁が漂います。
その廃校に上履きか何かが忘れられている光景、そこに夕焼がとくれば映画「ALWAYS三丁目の夕日」の世界です。
◇みな小さき風を抱きて草の花(神戸市・玉手のり子:稲畑汀子選)
きれいな句ですが何か物足りなさも。
◇心音も秋思も医師に聞かれけり(横浜市・犬山達四郎:金子兜太選)
秋思まで医者に聞かれてしまったのは若い女性かと読んでしまいました。
◇千年のなゐ千年の秋出水(横浜市・丸岡哲也:長谷川櫂選)
千年に一度の災害は、千年後に来るかというわけではありません。千年に一度の災害は今日くるかも知れません。
山登りをしていた頃に、大木の生えている斜面は雪崩に遭う危険が少ないと聞いた時に「何年も雪崩が発生していないのだから、もうそろそろ雪崩の発生する
頃では」と思ったものです。
◆朝日歌壇
◇戻れない家と識りつつ部屋々々にゴキブリホイホイ据えて
町去る(いわき市・多田千恵:高野公彦選)
家も庭も隅々まで、きれいに掃除をされたのでしょう。
ふるさとを返せ、きれいな土地を返せ!と叫びたくなります。
◇浴室の電球ひとつ減ずれば淡き光のやさしさを知る(東京
都・小川茂代:高野公彦選)
築30余年の職場の改装工事でコンセントの数が倍増されました。
30年前と比べると電気の使用量が増えていることを実感しました。
人口の光のない世界に行って見たくなりました。
◇「かなしい顔している字」だと言いながら幼は<谷>と半紙に
書きたり(広島市・小田優子:永田和宏/佐佐木幸綱選)
この歌を読んでから「谷」という字をまじまじと眺めると今にも泣き出しそ
うに見えるから不思議なことです。
◇徘徊の父を探せばこの町が夜ふけて見しらぬ町となりゆく(東京都・長坂八代江:馬場あき子選)
昔の職場に徘徊癖のある母親と二人で住んでいる人がいました。
職場から時々自宅に電話を架けて母親の在宅を確認し、不在だと休暇をとって帰り近隣をFMラジオをかけて探すのだそうです。母親の持ち物にFM発信機を
忍び込ませているので近づくと分かるのだそうです。優秀な青年でしたが苦労していました。
この歌も父を探しているうちに夜が更けて自ら住む町が知らない町のように見えてきたのでしょう。風景だけでなく心象でしょう。
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