12/03/11 松本猛・松本春野「ふくしまからきた子」
東日本大震災から一年、亡くな
られた人は帰ってきません。しかし、地震と津波だけなら死を乗り越えて復興は必ずできる。原発の事故さえなければ。。
ここ数日、マスメディアは東北の被災地から情報で満載のようです。
いくつかのテレビは数日前の朝日新聞に掲載された「お前たちがガレキを受け入れないから、復興ができない」と言わんばかりの意見広告とそっくりのガレキ
の「壁」を映していました。環境省はこのキャンペーンのために8億円とも10億円ともマスメディアにばらまいているとのこと、金のためなら何でもすると言
うことでしょうか?
原発事故直後の政府の議事録などがボチボチ公開されてきました。
事故直後にメルトダウンを想定していながら、「直ちに影響はない」などとウソを言い続けた枝野幸男などが未だに政府の中枢にいる。一人の人を傷つけたら
罪に問われるのに、大勢の日本国民をだまし放射能に塗れさせた人間は罪に問われないのでしょうか?
予約
しておいた絵本「ふくしまからきた子」が届きました。
作者はいわさきちひろさんの息子の松本猛さんと、その娘の松本春野さんの共著、絵は松
本春野さんが書いておられます。
右の表紙絵は小さいので雰囲気がよくわからないですが、祖母のちひろさんの絵と同じような淡い水彩で子どもたちが描かれています。
物語は、原発事故で放出された放射能から逃れるために広島の祖父母の家に避難してきた女の子・まやのことが、その隣の家の元気な男の子のだいじゅは気に
なってしかたがないようです。
ある日、それたサッカーボールを蹴り返してくれたまやと初めて話をすることができました。
「おまえ うまいのぉ! おれ、となりの いえの たなかだいじゅ」
「・・・・・・」
「おまえ ふくしまから きたんじゃろ」
「・・・・・・」
「おれ、しょうらいは にほんだいひょうに なるんじゃ!」
おまえは なでしこか?」
「・・・・・・」
「おまえ しゃべれんのか?」
「わたしは おまえじゃない。まやって なまえが ある」
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まやから、福島では未だ放射線量が高くて外で遊べないから、サッカーをやらないって決めたと聞いただいじゅは家に帰ってそのことを家族に話します。
ひいばあちゃんが、この町に原爆が落ちたこと、おじいちゃんは被曝2世だったことなど、色々と話してくれた。
子どもたちはちひろさんの絵本で育った。その子どもたちにも読ませたい、95歳になる母にも読ませたい。もう何冊注文しなければ。
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