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12/10/09 スラップ訴訟

 先週の金曜日(10月5日)の関西電力本店前での抗議デモの最中に起こった警察との トラブルについて、主催者(呼びかけ人)であるTwitNoNukes大阪(TNN大阪)から昨日コメントが出されました。

 ことの顛末を掻い摘んで引けば、
 @TNN大阪は関電社員に訴えるために通用口のあるビルの南東側で抗議行動を行っている。
 A毎週金曜日TNN大阪の他にも複数の団体の呼びかけで「原発をなくそう」との抗議行動が行われている。
 B当日、19時頃から、ビルの南西角のT字交差点で警察官と男性の間で口論が起こった。
 Cその後、揉み合いになりTNNが抗議行動をしている場所の後方(交差点から40m)で公務執行妨害容疑で逮捕された。

 そして、下のように結ばれていました。
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 私たちが毎週金曜日に行っているのは、一般市民による、関西電力への脱原発の意思表示であり、原発の再稼働に反対する抗議行動です。
 私たちは、警察による不必要な介入を望みません。
 これからも脱原発を願う一般市民の方がしっかり意思表示できる場所を作っていくために最大限尽力していく所存です。
 TwitNoNukes大阪 有志一同
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 私は「少し奥歯にものの挟まった感じはしますが、このコメントに賛同し今後も金曜日関電本店前での抗議行動に参加します」とツイートしておきました。

 さて、スラップ訴訟って言葉を私は この件で初めて知りました。
 英語のStrategic Lawsuit Against Public Participation(対公共関係戦略的法務)の頭文 字をとって
「SLAPP(スラップ)」あるいはスラップ訴訟(平たくは、公的に声を上げたために民 事訴訟を起こされること)と呼ばれているそうです。スラップ訴訟情報センターより。

 3.11後の昨年(2011年)6月18日のテレビ東京の報道番組が、自民党きっての原発推進派と言われる甘利明・安倍内閣当時の経済産業大臣にインタ ビューした時にある資料を見せられた甘利氏は、
都合が悪くなって席を立ち取材が中断されてしまいまし た。
 そのインタビュー映像をテレビ東京は「取材は中断されました」のテロップとともに放送したところ、甘利氏が名誉を毀損されたとテレビ東京と3人の記者を 相手に1000万円の損害賠償裁判を起こしました。この裁判が原発スラップ訴訟と言われるものです。

 放送された番組にはスタジオに大島理自民党副総裁(当時)が出演、他に谷垣総裁(当時)、安倍内閣の官房長官だった塩崎氏などがビデオで出演していま す。YouTubeで見ることができます。

 甘利氏は「(2007年7月の中越地震で被害を受けた)柏崎刈羽原発事故の時に原子力安全委員会が新指針を作った。地震に備えよ、揺れに備えよというこ とはいっぱい書いてある。ところが津波に備えよとは書いてない」と答えています。
 「そこで私たちはある資料を見せると取材はその場で中断になりました。その資料とは2006年当時の安倍内閣に野党から出された質問主意書です」(ナ レーション)

 その資料とは共産党の吉井英勝議員の出した質問主意書です。その中には地震や津波で電源が失われた時に冷却機能が働かなくなるのではと質問に安倍内閣は 「何もしていないが大丈夫だと回答した」(ナレーション)と回答しています。
 一方、塩崎氏は「5.7m以上の津波が来るとは想定していなかった。想定が甘かったと言われてもしょうがない」「安全という前提があり緊張感が足りな かった」と反省を語っています。

 法廷で甘利氏側は「悪意を持って報道された」「嵌められたと思った」「後半部分のやり取りはカットすると言ったのにしなかった」 番組内容は「ワイドショー的な人を貶めようとするもの」と主張。
 一方、テレビ東京側は「インタビューから逃げたのは事実です」「あんな物が放送されたらたまらない、俺の政治家生命は終わりだ!」と記者に詰め寄った 事、「日本なんかどうなったっていい!と話しました」「視聴者に甘利氏の無責任な姿を伝えたかった」などと反論し、報道の正当性を主張。(甘利明氏が原発スラップ裁判、テレビ東京を名誉毀損で起訴)上田眞美さん。

 吉井英勝さんの「原発安全神話を振りまいた人たちがいつの間にかそのイデオロギーに自分たちも洗脳されてしまった。その結果、いくら警告してもまじめに 受け止めて、対策をとろうとしなかった」との指摘は重いものです。
 東京電力福島第一原発の事故は「人災」であると強く思う。「人災」ならばその責めは「人」が負わなければならない。

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