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12/10/22 朝日俳壇、歌壇より

 週末の金曜日、土曜日と渥美、知多半島へツーリングを楽しんできました。怪我もなく 無事に帰ってきました。ツーリングのようすは後日に。

 防衛省や外務省のトップ(森本防衛大臣、吉良州司外務副大臣)が揃って、沖縄でのアメリカ兵による日本人女性への「集団強姦致傷事件」を「事故」と表現 しています。何故、「強姦事件」が「事故」なのでしょうか?
 人を殺すために訓練され、人殺しを仕事とする兵士が、植民地に派遣され、植民地の女性を強姦し、植民地の警察に捕まった。
 このことは、宗旨国や兵士らにとっては不幸な「事故」で あったかも知れない。

 アメリカの傀儡政権である民主党政権がアメリカやアメリカ兵を庇う気持ちが素直に出た本音の発言なのでしょう。
 国民を守らず、他国の兵士を守るような国賊に税金が使われていることが腹立たしい。

 そんな中、共産党の志位委員長はアメリカのオバマ大統領宛に抗議の手紙を送ったそうです。
志位委員長、オバマ大統領に書簡」(しんぶん赤旗 12/10/20)
 その要旨は下記のようです。
◇今回の事件は、女性の尊厳を踏みにじった卑劣きわまりない蛮行であり強い憤りをもって抗議する。
◇このような事件を根絶するには、米軍基地の全面撤去しかない。
◇オスプレイ配備の撤回、普天間基地の無条件撤去を求める。

 この抗議の書簡は道理に適ったものと思います。

 今月は現代俳句協会のインターネッ ト俳句会に5句を投句しました。さて、何人の方に支持いただけますか?今は1000句を超える投句から、好みの句を選ぶ作業中です。楽しくもあり難しくも あります。

 さて、22日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇またねとはもう会へぬかも秋の暮(京都市・岸田健:稲畑汀子選)
 若い人も老いたればなおのこと、さようならはいつも今生の別れでもあります。

◇露の世の残る時間を忙しなく(前橋市・荻原葉月:稲畑汀子選)
 儚い露の世だからと忙しなく生きることはないように思う。ゆったりと自分らしく生きて行きましょう。
 他にも同じ季語の作品が入選していました。<露の世や露しか愛でること出来ず>長岡市・内山秀隆

◇大橋は停車禁止や鷹渡る(洲本市・高田菲路:稲畑汀子選)
 大橋(明石海峡大橋なのか鳴門大橋なのか?)の上から鷹の渡りを発見されたのでしょうが、橋の上は停車禁止で残念ながらゆっくりと観られませんでした。
 先日宿泊した休暇村伊良湖に鷹の渡りがあったと写真が飾られていました。

◇爽やかなこころ配りの人と居て(福岡市・松尾康乃:稲畑汀子選)
 いいですね。気持ちの良い時間が過ぎていき
ます。
 相手は男でも女でも、青年でも老年でも、生臭くても枯れていてもそんな存在が羨ましい。

◇新月の今日より浮上せよ私(本庄市・佐藤友子:金子兜太選)
 新月は旧暦朔日、何ごとも始めるに良いのでは。
 水底を蹴って浮上し綺麗な花を咲かせてください。

◇山霧のとりまく郷(さと)や吾小さし(丹波市・大野沙年:金子兜太選)
 山霧に囲まれた経験は数度しかありませんが、怖さと神秘さとで何とも言われる感覚になったことを覚えています。
 句のように人間など小さなものでしかないことを実感します。霧の深い山里にも旅をしたいと思います。

◇衝立のとなりも新酒くむらしき(青梅市・吉田悦子:長谷川櫂選)
 旅先の食堂でしょうか?それとも街中の居酒屋でしょうか?
 「新酒あります」の貼り紙に誘われて注文し、利き酒をしている。隣もご同輩。

◇紅さして吾も花なり薮枯らし(小平市・小松明:長谷川櫂選)
 花は可憐なのに忌み嫌われるような名前を付けられた植物の一つに薮枯らしがあります。根は乾燥させて利尿、鎮痛などに効く薬草とありました。

◆朝日歌壇
◇手を合わせたたずむほかなく長崎の原爆落下中心碑前(小樽市・吉田理恵:高野公彦選)
 長崎へ旅をされた歌でしょうか。馬鹿な高校生だった私は修学旅行で行ったはずなのにほとんど覚えていません。
 長崎でロケをした映画「いつか読書する日」で、主人公の田中裕子さんが重い牛乳をもって昔の恋人宅のある坂道を登って行く絵が忘れら れません。長く訪れたいと思っていますが中々かないません。

◇座席にて化粧(けわ)ふ女を咎むる目国防婦人会はあんな目をせし(川崎市・斎藤栄:永田和宏選)
 この作品では、車内で化粧をする女性とそれを咎めるように見る女性を対比して、咎める側を大日本国防婦人会と揶揄しています。
 軍国主義を進めるために作られた団体と車内のマナーを咎める目が一緒とは何か違和感が禁じられません。
 因みに選者は「目障りな車内化粧。そういえばこの目つきはあの時のと、ぎょっとしたのだ」と評されています。

◇頬紅(あか)き外つ国より来し縫製工異国の祭りにりんご飴買う(八幡浜市・豊水一美:馬場あき子選)
 縫製工などとして働く外国人は「研修」名目で、日本人より劣悪な労働環境で二重三重に搾取されていることでしょう。そんな人たちが宿舎近くの村祭り?で リンゴ飴を買っている。
 この国の日本人は「過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない」のです。外国人が優遇される訳はないのです。

◇セシウムの茸を食った鹿の群何事も無く足取り軽く(前橋市・船戸菅雄:馬場あき子 選)
 「足取り軽く」が哀しい。放射能はこの鹿のように、毒の効き目がすぐに出ないから厄介なのです。
 子どもたちには、福島、東北、東日本の農産、漁業産品を食べさせないでください。「食べて応援」などに騙されないでください。
 原子力ムラは総力を挙げて、福島第一原発の事故の影響を拡散させているのです。彼らは総力を挙げて東北の産品を私たちに食わそうとしています。そんな手 に乗って子どもたちを被曝させてはなりません。子どもを守るのは親の責任です。

◇開墾のこの柴山に蕎麦蒔きて果てし老友あり息子は継がず(本宮市・廣川秋男:馬場あき子選)
 電車に乗って都心を少し離れると「休耕田」「放棄田」が目に付きます。
 小さな頃には林を拓き、石ころを取り除いて水田にする親父さんが近所にいました。奴隷のように働く姿を見ていた水呑百姓の次男坊には土地、とりわけ農地 は大切なものとの刷り込みがあります。
 そんな風景がもったいなくて、悲しくてなりません。

◇兀兀(こつこつ)と人生きるなりふくしまの重いひき臼静かにまわし(福島市・青木崇郎:佐佐木幸綱選)
 哀しい歌です。

◇行き帰り牛久大仏を仰ぎつつ戻る当てなき五度目の一時帰宅(市原市・守岡和之:佐佐木幸綱選)
 故郷はもう戻ることのできなくなったのです。その犯人は東京電力です。除染なんてその場凌ぎで国民を騙しています。

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