13/02/14 朝日俳壇、歌壇より
すべての国の核兵器、原発に反対します。北朝鮮の核実験は許せませ
ん。
しかし、国やマスメディアのプロパガンダにも反対します。北朝鮮の放射能も脅威ですがそれ以上に東京電力福島第一原発から垂れ流されている放射能はもっ
と身近でもっと線量が高いのです。
なぜ、福島の放射能には口をつむぎ北朝鮮の放射能を騒ぐのでしょう?
なぜ、福島の放射能や瓦礫の償却の汚染には口をつむぎのに、中国の大気汚染には健康被害とあおるのですか?
推理小説では誰が得をするかを考えれば事の真相に近づくことができます。騙されないで生きていきましょう。
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日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
私は朝日新聞を定期購読していません。ネットの情報などで読みたい記事がある場合や本を持って出なかった時、朝日俳壇、花壇が掲載される月曜日には駅の
売店やコンビニで買うことにしています。
ところが月曜日と言うのは新聞休刊日の影響を受ける日です。時々買い忘れをしてしまいます。今月は2月11日が休刊日で、2月12日の新聞が発行されな
いという変則でボケた頭で当日買うことができず、新聞販売店に行って3日ほど前の新聞を買ってきました。
記事の書き込みが遅くなった言い訳など。
◆朝日俳壇
◇福島の鬼千匹に豆を撒く(三郷市・岡崎正宏:長谷川櫂選)
福島に鬼は住まない、住んでいないと思う。鬼が住むのは内幸町や永田町。
◇旅人となりて見上げる雪下ろし(福岡市・湯川絋子:長谷川櫂選)
分かる分かる。
旅先で見る雪下ろし作業は雪国に住む人たちの過酷さを超えて壮大な景色として目に映る。
◇築百年毀(こわ)すに二日春の雪(香川県琴平町・三宅久美子:稲畑汀子選)
築何百年であろうが二日もかかれば一方もないものです。
街道沿いの旧家が相次いで建て替えのために壊された。十分住める立派な家だったが。
一軒の家は広い敷地に平屋建て、私の年収何年分かと思うような石の門柱が二本立っています。
◇不自由も自由も糧に春を待つ(枚方市・石橋玲子:稲畑汀子選)
不自由も自由も糧として生きている。こうありたいですね。
◇寒紅に元気な笑顔取り戻す(荒尾市・鶴田幾美:稲畑汀子選)
病んでおられたのでしょうか?
女性は紅を引くだけ晴れやかな印象になるようです。鏡の中の自分が元気になっていく様でしょう。
◇冬の川冬を浮かべるほかはなし(昭島市・秋山利男:金子兜太選)
いい句だなと思う。金子兜太さんの好みではないだろうか。選者の金子兜太さんは「冬枯れのなかを静かにしたたかに。境涯感か」と評されています。
◆朝日歌壇
今週の佐佐木幸綱さんの選には鳥を詠んだ歌が10首中8首も入選していました。選者は「今週は、日本全国から多様な鳥たちの歌が寄せられた。これら八首
はほんの一部。とくにヒヨドリは各地で活躍しているらしく、この他に二十首近くもあった」と。
全8首を紹介します。
◇上毛の鳥之郷(とりのごう)地区に日は昇り鶴生田(つるうだ)の里に青鷺の立つ(太田市・川野公子)
◇群れで来る恐ろしき奴日頭鳥(ひよどり)が千株の白菜一日で食う(三重県・喜多功)
◇チチチチと子鴨が親鴨追い滑る元荒川に春はもうすぐ(蓮田市・青木伸司)
◇どこよりも安心鉄橋のしたを塒(ねぐら)に鳰(にお)の群れおり(香取市・関沼男)
◇雪晴の天を切りゆく鳶ひとつコンパスの円斯くも真円(川崎市・藤田恭)
◇枯花と見れば小枝に寒スズメ猛吹雪に耐え群れてふくらむ(福島市・澤正宏)
◇寄り添ひて眠るが見ゆる山鳩のいちゐの枝に雪降る日暮(山梨県・柚木原枝利子)
◇しらさぎは川水に添ひ翔(と)びゆきてしぐるる中に白際だちぬ(熊本市・高添美津雄)
どの歌がお好みでしょうか?私は「枯花と見れば・・・」の澤正宏さんの作品がよかった。
◇死者出でて夜明け待ちいし檀家より六時きっかりに電話のかかる(三原市・岡田独甫:高野公彦選)
医者なら時を選ばず呼ぶがお坊さんとなると夜明けを待つという庶民の感覚に和んでしまう。
◇何よりもほかほかスープが嬉しくて今日から通常給食再開(いわき市・岸本靖子:永田和宏選)
選者は「給食センターも復旧、再開。「ほかほかスープ」が嬉しいという具体に切実なリアリティがある」と評されていますが、選者は科学者、フクシマの子
どもたちがどんな状況に置かれているかご存知ないのなのだろうか。
高線量の被曝地帯に住み、地産地消の名の下に被曝米、被曝野菜、被曝魚介などを給食に食べさされているのです。
◇東京にオリンピックが来る前に妻と歩かん思い出の場所(栃木県・あらゐひとし:永田和宏選)
オリンピックが開催されれば街は変わる、その前に昔二人で歩いた街を。オリンピックなど要らない。
◇酔い痴れてみたいわたしに気付かずにあなたは寝てる一升瓶と(下野市・石田信二:永田和宏選)
女性が酔い潰れた夫を見て詠んだ歌かと思いましたが、男性の作品でした。
女性の歌だったら共感できたのにと思う。
◇悲しみのつづきにかなしみのフクシマありふるさとに降るきさらぎの雪(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
「悲しみのつづきにかなしみ」ありフクシマ。
◆「俳句で綴る変哲半生記」
俳壇、歌壇の掲載されているページの囲みコラム「うたをよむ」に俳人の黒田京子さんが小沢昭一(変哲)さんの全句集「俳句で綴る 変哲半生記」について書
かれていました。
この本は私も買ってパラパラと拾い読みをしています。飾らぬ句が大好きです。
◇なにはさて春は分葱(わけぎ)のぬたの色
居酒屋で酒のあてに分葱のぬたが出ると酒の味が引き立つようです。
さて、黒田京子さんのコラムの後半を引用させていただきます。
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ご縁を賜り、句座に招かれ、著書を贈られて参りました。小沢さんほどの常識家にして細心、熟慮かつ独創的に生き切ったお方を知りません。放送一万回を超
えたラジオ「小沢昭一の小沢昭一的こころ」のファンは津々浦々に。最期に「小沢変哲として死なんと欲す」とにこやかに編まれた全句集。人生をまるごと堪能
できます。その人生の鉄人には民間からの「国民栄誉賞」がふさわしいと思うのですが、如何(いかが)でしょうか。
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小沢昭一さんに官からの賞は似合わないとすれば、「民間からの」賞っ
てそれも照れて断られるような。
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