14/02/04 朝日俳壇、歌壇より
東京都知事選のこ
と。
選挙には勝たなければならない。脱原発を言う候補者は一本化しなければならないなどと今回の都知事選の脱原発派は宇都宮けんじさんを推す人たちと、細川
もりひろさんを推す人たちに分裂しているように見えるかもしれませ
ん。
細川候補を支持する人たちは細川候補が脱原発を第一に挙げているから本物だ。とにかく選挙に勝てそうな候補者に絞り、勝たなければなら
ない。そのためには宇都宮候補は下りなければならないと。
選挙に勝つだけで原発は止まるのでしょうか?
選挙に勝つだけで原発立地への差別構造はなくなるのでしょうか?
選挙に負けたら脱原発の運動はもうおしまいになってしまうのでしょうか?
脱原発の運動とはそんなに脆弱なものなのでしょうか?
脱原発運動なんて何十年も否何百年もかかる運動だと思います。運動を始めた人たちの世代では終わらないのです。後に続く人たちに繋いでいくしかないので
す。
「一本化」に懐疑的な私は、脱原発を含め弱者の目線がぶれない宇都宮けんじさんを支持します。もし共感いただけるなら支持を広げていただければ幸いで
す。
少し古い情報ですが、もう一つ書き置きたいこと。バッファローズ、ドジャースなどで活躍された野茂英雄さんが日本の野球殿堂入りをされたそうです。
余りプロスポーツを見ることがない者でも大きなものに迎合しない反骨精神に溢れた野茂さんは好きな選手でした。殿堂入りに際して野茂さんのコメントがか
なりの皮肉もあっ
て素晴らしいので、ここに書き置きます。
本当に驚いてい
ます。投票していただいた方、これまで支えてくれた方、家族、チームメイト、周りの人に感謝したい。
(殿堂入りは)記者投票で選ばれるということで、現役時代あまり仲良くなかったので資格を得た1年目で選ばれたことに正直驚いていますし、感謝していま
す。
思い出に残っているのは近鉄に入って初勝利を挙げた時と、メジャー初登板です。
近鉄での初勝利は仰木さん(当時監督)の誕生日で、それまでなかなか勝てなかったんだけど、その勝利でようやくプロの一員になれた気がしました。
メジャー初登板は、自分がアメリカでやりたいと自分で決め、自分で行動した中で夢がかなった日として覚えています。
将来的にはアマチュアを盛り上げたい。僕が行った時から統一契約書の変わっていないところをよくしてもらいたいですね。
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2月3日付けの朝
日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
昨日は暖かな節分、一転、今日は寒い立春です。
◆朝日俳壇
◇清貧の庭に千両万両も(東京都・田治紫:稲畑汀子選)
「清貧」という言葉も余り聴かなくなりました。きっと気高いことでしょう。
◇成人の日を待つ躾糸を抜く(大阪市・大川隆夫:稲畑汀子選)
女性、母親が成人を迎える娘の着物の躾糸をしみじみと想いで取っているのだと思いましたが、作者は男性のようでした。
◇括られて集団自決めく冬菜(つくば市・大倉真知子:金子兜太選)
土から抜かれて、一把二把とまとめられた菜を見つけて、集団自決のようだとは新しい発見でした。
◇冬リや遠くの人を待つごとく(横浜市・山本裕:長谷川櫂/大串章選)
遠くからやってくるのは待ち人でしょうか?「春」のような気がします。
◇汲み置きのバケツに遠き冬の空(東松山市・小松克彦:大串章選)
庭を持たない暮らしでは、バケツに汲み置きの水など置くこともありません。薄氷でも張った水に冬の空が映っているのでしょうか。
◇終点に近づく席の冬日向(神奈川県寒川町・石原美枝子:大串章選)
都会では電車は終点に近づくと混んできますが、田舎では終点に近づくと閑散となって空席に冬の陽を差している。
◆朝日歌壇
◇正月などなければいいと思ってる嫁がいることそろそろ気づこう(東京都・上田結
香:永田和宏選)
田舎の大きな家の嫁は、盆だ正月だと帰省する小姑たちのためにおさんどんをしなければならない。そのことに気づいてよ、小姑たちよという歌でしょうか?
そんな伝統を残しているお家が未だあるのでしょうか?
◇喉もと過ぎ秘密保護法反対の意思の程度を試される民(交野市・遠藤昭:永田和宏選)
私たちは試されている。秘密保護法反対と叫んだ自分たちの意思を。
寒い町角に「秘密保護法反対!」のプラカードを持って立とうと思う。私たちはその本気度を試されている。
◇廃鉱の街に住みにし歳月を廃炉の地にて思えば小雪(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
廃鉱の街・夕張から、故郷・福島に帰られた美原さんは震災と原発事故に遭われたそうです。
廃鉱、廃炉、廃という字は廃れるという負の意味を持ちます。暗い暗い街に雪が降る。
◇この国を出でしことなし食卓にモーリタニアの蛸を噛みつつ(香川県・薮内眞由美:馬場あき子選)
モーリタニアがどこにあるかも知らない庶民は、明石の蛸など食えずにいる。
◇汚染水タンク1000基の建ち並ぶ画像が今は<秘密>ではない(堺市・丸野幸子:佐佐木幸綱選)
タンクの寿命は何年だろう。今も海に地下水に、空中に放射能はばら撒かれています。
多くのタンクが並ぶ絵と、「除染」された土を入れた青い袋の積まれた絵は、この国がオリンピックなどやってる場合かと思う。
◇<ぶどう酒>は死語となりつつひっそりと聖書の中に隠れていたり(八尾市・水野一也:高野公彦選)
「ぶどう酒」は聖書の中だけではない。名張毒ぶどう酒事件の真犯人は未だ捕まっていない。冤罪を訴
える奥西勝さんは病床から8回目の再審請求をされている。
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