Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back Haiku  Photo Mail Archives Twitter Next→

14/07/15 朝日俳壇、歌壇より


  7月14日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇能面のやうな色なき風の来る(青梅市・青柳富也:大串章選)
 無機質?の色なき風と艶を持つ能面の対比なのでしょうか?

◇蟻地獄脱して甘き余生かな(豊中市・堀江信彦:稲畑汀子選)
 蟻地獄を抜け出してゆったりとした余生を過ごしている、過ごしたいということでしょうか?
 私などは未だ未だ蟻地獄の中におります。

◇傘持たぬこの身軽さよ梅雨晴間(小樽市・辻井卜童:稲畑汀子選)
 作者の気持が良く分かる作品です。私も傘を持ち歩くのが苦手でしょうがありません。

◇廃炉まで怯えながらの端居かな(いわき市・中田昇:金子兜太選)
 京都大学原子炉実験所の小出裕章さんは東京電力福島第一原発は「放射能の沼となっている」と言われています。
 怯えながらもそこに住むのか、避難するのか、誰にも強いることは出来ないけれど。

◇さう言へばをんなも老ける泥鰌鍋(焼津市・下村直行:金子兜太選)
 泥鰌鍋なるものを食ったことはありませんが、作者はどんな女性と泥鰌鍋をつついているのだろうか?
 同僚や妻なら少しの皮肉とも取れますが、古い知人なる人なら感慨でしょうか。

◇電柱の影に人ゐる炎暑かな(さいたま市・川辺了:長谷川櫂選)
 電柱の細い影などなんの頼りにもなりませんが、それでも少しでも日差しを避けたいという気持でしょう。

◇国会は戦せんとや沖縄忌(鹿児島市・用貝ひろみ:長谷川櫂選)
 どうしたら世界中の争いごとをなくせるかとの議論ではなく、いかに現憲法で戦争をすることができるかと馬鹿な議論をしている。
 難しい問題だろうが、今行われているガザへの爆撃も話し合いでなくすことが出来ると信じている馬鹿です。私は。

◆朝日歌壇
◇着々とヤマモモの実の煮ゆる鍋銃後といえる語感近づく(熊本市・加藤知子:高野公彦選)
 銃後という言葉も、戦前、戦中という言葉も古い過去の話ではなくなりました。
 戦死という言葉も現実味をおびてくる。

◇餃子よしキムチもうましわれわれの食にヘイトも排外もなく(西条市・村上敏之:高野公彦選)
 差別主義者がヘイトスピーチを垂れ流すのは、鶴橋や新大久保の町です。その町には餃子やキムチを商う店がたくさんあります。ヘイトスピーチを垂れ流すよ りキムチでも食って和むのが一番と思いますが。
 7月20日に民族差別や人種差別を許さないと思う人たちが大阪でパレードを行います。今年で2回目、私は去年も参加しました。一緒に歩きませんか?仲良くしようぜパレード 2014

◇しあわせは小さきがよし青梅のころころころんもひとつころん(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 美原さんも小さな幸せを見つけられたのでしょうか?
 この前の入選歌は<柿の花咲いた数だけ地に散りてそをひた濡らす水無月の雨>でした。

◇日の丸につつみて柩還りくる覚悟ありしか問ひたき今は(岐阜市・臼井均:永田和宏選)
 日本兵の戦死者はアメリカ兵のように国旗に包まれて送り返されるのでしょうか?
 川柳作家・鶴彬の作品にこんなのがありました。
 <手と足をもいだ丸太にしてかへし>鶴彬

◇戦争を知らない子供たちのまま僕らは死んでゆけるでしょうか(東京都・吉竹純:永田和宏選)
 何歳まで生きるか分かりませんが、戦争を知らない子どもたちのまま死んで生きたいものです。そして後の世代にも戦争を知らぬままでいて欲しい。

◇「そろそろ帰りますね」が言い難くホームのテレビ母と見ている(西宮市・東谷節子:永田和宏選)
 昨日、実家に母を見舞ったのですが、中々「帰る」といい出せなくて「そろそろ」と切り出すと、「まだ早いのに」と帰り辛くなるばかりでした。

◇自転車で帽子を風にさらわれる非日常は突然くるのだろう(鎌倉市・小島陽子:永田和宏選)
 戦争という非日常は何の前触れもなく突然現れるのではない。砂に染みる水のようにひたひたと私たちの心根を侵してくるのです。
 戦争という怪物が現れてから騒いでももう遅いのです。今、「戦争は嫌!」「憲法を守れ!」と声をあげましょう。

◇沖縄の海に影うつすオスプレイ慰霊の日なれど他国のごとし(東京都・狩集祥子:馬場あき子選)
 アメリカ軍にとって沖縄戦での加害責任とともに沖縄慰霊の日など全くの他人事でしかないのです。

◇日本人になりたき娘が憂いゆく集団的自衛権に揺らぐ国は雨(アメリカ・悦子ダンバー:馬場あき子選)
 戦争をしない国・日本の国民になりたいという人いること、そんな娘が閣議決定で心揺れているということを施政者は知っているのだろうか。

◇原発のせいとは誰も言わないで目立たぬように住む人は減る(浜松市・桑原元義:佐佐木幸綱選)
 
放射能で死ぬ人、町を捨てる人、福島は国が棄てた町、放射能だけでなく金の亡者たちの金に塗れた町・フクシマ。
←Back  Archives  Mail  Home  Next→ Top
inserted by FC2 system inserted by FC2 system inserted by FC2 system