残日録141110

　労働者派遣法が改悪されるかも知れない。

　特定の職種だけに認められたものが、どんどん職種を拡大されてきました。現在では３年働けば直接雇用のチャンスが曲がりなりにも制度化されていますが、改悪労働者派遣法が成立すると直接雇用の機会はなくなり「生涯派遣」で働かなくてはならないことになります。
　なんとも大企業にとって都合のよい法律でしょう。派遣法改悪に反対です。

　川内原発の再稼働が「地元」自治体（鹿児島県と薩摩川内市）の議会で承認されました。
　他のいちき串木野市などは原発から３０キロ圏内にも関わらず「地元」に含まれないそうです。
　仙台原発で事故が起これば放射能は台風１８号、１９号のように北東に日本列島を舐めながら北上するのではないでしょうか？日本列島全体が放射能に汚されてしまうのです。川内原発の再稼働に反対です。

　週末に知人が関わるジャズコンサートに誘われ聴きに行ってきました。
　クニ三上さん（ピアノ）と林正男さん（ベース）、橋本健太郎さん（ドラムス）のトリオのコンサートが姫路の南風会という小さなホールで行われました。
　ジャズコンサートなのでグラス片手かと思っていましたが、中々品の良いコンサートでした。同行の皆さんは私と同様の酒飲みばかりで、コンサートの前後に姫路駅前の飲み屋で飲むという楽しいコンサートでした。

　１１月９日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇妻なれば雨読かなはず茎漬ける（神戸市・内田あさ子：金子兜太選）
　女性活用などと政府が言っていますが、この作品のように女は雨が降ったから本でも読んで時間つぶしとはいかないものです。

◇子も妻もみんなときどき時雨れけり（印西市・布津健二：金子兜太選）
　可笑しみのある作品です。妻も子もそして亭主である自分も時雨れる時があるものです。

◇この子らも兵とならむや七五三（三重県明和町・西出孝：金子兜太選）
　この子らを戦争にやってはなりません。そして人殺しをなんとも思わないような人間にさせてはなりません。

◇不遜なる大志なつかし鰯雲（千葉市・愛川弘文：長谷川櫂選）
　作者は身の丈を超えるような大志を抱かれたことがあるのでしょう。それを懐かしむ。私は大志など抱くこともないほど貧しい時代だった。

◇運動会四位に泣く子喜ぶ子（笠間市・沼田金子：大串章選）
　四位で喜ぶ子に拍手を送りたい。

◇立ち飲みに女がひとり暮れの秋（武蔵野市・相坂康：大串章選）
　私も立ち飲みなどの安い酒場で飲みます。店の客は中年以上の男性ばかりです。そんな店に女がひとりとな何か訳ありかと男どもはみな興味津々なことでしょう。

◆朝日歌壇
◇秋灯火憲法九条読み直す何度読んでも解釈は一つ（前橋市・荻原葉月：永田和宏選）
　日本国憲法を解釈改憲する人たちは解釈でしか改憲できないと思っているのでしょう。
　憲法は戦争することを認めていません。そして「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と言っています。国会議員や大臣はまず憲法を守りなさい。

◇許せない思いは何も口にせずやさしさだけを残して逝きたり（牛久市・伊澤裕子：永田和宏選）
　そんな風に嫌なことは口にせずに私も逝きたいと思う。

◇山頭火伊那路ゆ木曽へと越え行きし峠路に吾は山芋を掘る（伊那市・小林勝幸：馬場あき子選）
　山頭火は伊那の放浪俳人の井上井月（いのうえ・せいげつ）の墓参りをしたく一度は旅の途中で病を得て叶わず二度目に果たすことになりました。私も峠を越えて井月の墓に詣でたことがありました。

◇田の穭（ひつじ）はやくも稔り穂を垂れてシベリアよりの渡り鳥待つ（埼玉県・酒井忠正：佐佐木幸綱選）
　穭という言葉を初めて知りました。蘖（ひこばえ）のこと、稲刈りをした稲の株から芽が出てやがて穂がつくことを指すそうです。
　田は渡り鳥を待っている。

◇思い出の中にいつも欠けており顔も覚えぬ戦死せし父（嘉麻市・野見山弘子：高野公彦選）
　埋められない穴。この方の父は子の生まれたことを知っていたのだろう。
　昔のテレビ（朝日放送の「探偵ナイトスクープ」）で、父から母への軍事郵便が読めなくなっている。父は母が自分を妊っていたことを知っていたのか判読してほしいとの依頼に、奈良の博物館の古文書を解析するなどをして読み解くというものがありました。