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05/08/12 民意の反映

 520人の命を奪った日本航空ジャンボ機墜落事故から、20年目の8月12日を迎えました。

 日本航空は事故発生の2年後に民営化されました。
 その後も事故が多発しており、金儲けのための合理化、労働組合潰しが行われています。(残 日録:05/03/28日本航空で何が起こっている?

 昨日(11日)も、納入されたばかりのボーイング777から部品が脱落するという事故が起こっています。
 「日航機の部品脱落、保有する同型機35機の検査を開始」(NIKKEI NET)

 520名の命と引き換えに誓った「絶対安全の誓い」は20年という年月で風化しつつあるようです。

◆誓いの日に
 「絶対安全」を改めて誓ったはずの8月12日に、日本航空機のエンジンが故障し火を噴き、多数の部品が落下しました。
 この会社には、「安全」よりも大切にするものがあるようです。

 12日19時46分頃、福岡発ホノルル行きのJALウェイズ機の左翼エンジンが火を噴いて、福岡空港に引き返したとのことです。
 福岡空港の北側の公園には、3〜4センチの金属片が100個も降ってきたそうです。
 JALウェイズは日本航空国際線の一部路線を運航する子会社。

 「日航機から住宅地に多数の破片 福岡で離陸直後、エンジン火噴く」(中日新聞 05/08/13)

◇今朝(13日)、ぼんやりと見ていたテレビで、この事故のことを報道していました。その中で「従業員がしっかりしないと」風の発言をしていましたが、ば かばかしいことです。
 日本航空の会社の体質に何故踏み込んだ報道をしないのでしょうか?

◇新聞各紙の見出しも微妙に違います。
 Googleニュースの表示を並べてみます。(日付順表示)
 □四国新聞「JAL系機落下物を捜索/排気ノズルにも破片確認」
 □スポーツニッポン「事故20年の日…日航系機部品落下」
 □サンケイスポーツ「福岡で離陸直後に旅客機エンジン破損…部品多数落下」
 □中国新聞「旅客機から金属片多数落下 福岡の住宅地、5人やけど」
 □日本経済新聞「福岡発の日航系機エンジンから出火、住宅街に部品落下」
 □読売新聞「旅客機からエンジン破片落下?福岡に緊急着陸」
 □朝日新聞「引き返しのジャルウェイズ機から部品落下? 福岡」
(05/08/13追記)

◆民意の反映◆
 衆議院で可決した法案が参議院で否決されたからといっての衆議院の解 散、解散に同意しない閣僚を罷免してまでの解散は、素人目にも論理的だとは思われません。

 さて、森永卓郎さん命名?の「自爆テロ解散」というか「自縛解散」か分かりま せんが、衆議院は解散され総選挙が9月11日に行われることになりました。

◆二大政党制の危険
 いつも、紹介させていただいているビル・トッテンさんのOurWorldというサイトの中に「二大政党制の危険」( 2003年12月11日)という記事がありました。前回の総選挙(03年11月9日実施)後に書かれた記事です。

 少し引用させていただきます。

 「過去50年以上日本は一つの右派政党(自民党)がいつも政権を握るか、または似たような政治哲学をもつ右派政党と連立するかで、それ以外の政党は決し て 政権を取ることができない一党優位政党制だった。これをアメリカのような金権二大政党制にすることを大企業が歓迎する理由は分かるが、一般国民が歓迎でき る理由は何もなく、むしろマイナス要因はいくつも挙げられる」

 右派政党と似非左派政党の二大政党のどちらが政権をとっても、自分たちに有利な政策を実行するのですから、大企業はわが世の春を謳歌できるのです。

 「日本が愚かにもアメリカの二大政党制を取り入れ、一般国民の生活をさらに脅かすような政策を両党がとっても、今の投票率では自業自得としかいいようが ない。いくらメディアが二大政党制を良いと宣伝しても、何もかもアメリカを追随するのではなく、ヨーロッパや北欧諸国の多くが国民に多くの選択肢を提供す る多党制をとっているという現実も見るべきだと思う」

 前回総選挙は、戦後2番目に低い投票率(小選挙区:59・86%、比例区:59・81%)だった。
 大企業に有利な選挙制度であっても、100%の国民が投票するようになれば、政治家は当選するには、金をくれる大企業より、票(100%の国民)を見な ければな らなくなり、最大多数の国民の最大幸福を提供するようにならざるを得ません。

 さらに引用させていただきます。
 「現在の小選挙区制は大政党に有利となり議席に反映されない「死票」(落選者の得票合計)が最多議席の党以外は高くなるという問題があることは以前から 指摘されている。今回も自民党は得票44%で議席の56%を獲得したが、共産党は得票率8・1%で獲得議席は一つもない」

 選挙は国民の意思を正しく反映していなければなりません。

 例えば「一票の格差」です。
 議員一人当たりの人口は、東京都選挙区では約150万人、島根県選挙区 :約3万人(参議院:05年3月住民基本台帳)と約50倍もの格差があります。
 国民の意思は正しく反映されていません。

 また、単的にいえば得票率と議席数は比例していることが民意が正しく反映されているといえます。
 例えばある選挙区に3人の候補者が立候補した場合、当選者は最小33.4%の得票で当選することができます。残る66.6%の民意は「死票」となってし まいます。

 66.6%の国民の声は、議員を通しては議会に届きません。 

 1970年代の田中角栄内閣で小選挙区制度を含む選挙制度改正案が提出されました。自党に都合のよい選挙制度の改悪は「カクマンダー」と呼ばれ、労働組 合(私の所属組合は右派でありましたが)も、反対運動を展開しておりました。

<カクマンダー>(Wikipediaより引用)
 特定の政党(与党)に有利なように、小選挙区を区割りすることゲリマンダー(Gerrymander)という。由来は、1812年、米国マサチューセッ ツ州のエルブリッジ・ゲリー知事が、自分の政党に有利なように選挙区を区割りした結果、幾つかの選挙区の形が奇妙なものとなり、その内ひとつがサラマン ダーの形をしていたので、こう呼ばれるようになった。
 日本においても、衆議院の小選挙区がゲリマンダーだと、野党から批判されている。 小選挙区制が大政党に有利な制度であるために野党などの少数政党を中心に反発が強く、かつて国会で小選挙区制導入の法案が提出される度にマスコミからその 当時の内閣総理大臣の名を冠して○○マンダーと揶揄されてきた。
 ・鳩山一郎内閣→ハトマンダー
 ・田中角栄内閣→カクマンダー

 21世紀の日本は、イラクへの派兵、憲法改正論議等など「戦争のできる国」への道を、大きな反対運動の抵抗を受けることもなく、ひた走っています。
 次の選挙で、意思を表明したいと思っています。
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