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06/03/11 なぜ戦うのか

 昨日(3月10日)は東京大空襲から 61年目の記念日でした。
 加害者としての戦争責任も当然負わなければなりません。同時に他国にも戦争責任を負ってもらわなければなりません。
 無差別な市民を対象にした、日本各地への空襲そして広島、長崎への原爆投下は、国際法上も人道上も決して許されるものではありません。
 加害国・アメリカは、無差別に日本人を殺した責任をとっていません。

 3月9日に憲法9条を守るための「9の日・9条・ハンスト・イン」に参 加して、色々なことを考えながら24時間を過ごしました。
 何故、憲法9条をなきものとしようと思う人たちがいて、9条を守ろうとする人たちがいるのかと考えました。
 加島祥造さんの「タ オ 老子」の第30章を紹介します。
 憲法の精神、9条の精神と同じではないでしょうか。

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 第30章 自分を守る

 今は政治でも経営でも
 すべて力ずくでやろうとする。
 パワー・アップするのがよい、と思っている。
 しかしね、
 タオに深くつながる人は
 こう警告するだろう−−
 強い力で押しまくる時、かならず
 しっぺ返しがくる
 戦争で荒らした後には、
 いら草ばかり生える。大軍が
 占領した国土には飢饉が起こる。
 戦うことなんて
 ほんとに自分を守る時だけでいい。
 暴力に反抗して命(いのち)を守る時だけでいい。
 だからタオの人は
 自分を守る力を誇らない。
 なにかに勝っても驕らない。
 争うのは
 止むをえずする時だけのことだ。そして
 目的をとげたって得意にはならない。

 よくみてごらん、
 暴力や力ずくでしたことなんて
 みんな長つづきしないじゃないか。
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 戦うのは自分を守るときだけ、戦うのは暴力に抵抗するときだけ、分かりやすい言葉です。
 力ずくで民衆を押さえつけても、いずれは民衆の力で跳ね返されてしまうのです。

 太平洋の向こうの大統領も、日本海の向こうの総書記も、力で物事が解決すると思っているのでしょうね。
 彼らには人々を自然に従わせる徳(テー)がないのです。

 9条を、憲法を自分たちの都合の良いように変えようとする人たちも、力ずくでしたい何かがあるのでしょう。

 今、私たちは、自らの命や生活を、愛する人たちの命と生活を守るために戦わなければならない時ではないでしょうか。
 それぞれの立場で、それぞれの方法で、緩やかに、強かに、粘り強く、戦っていきたいと思います。

◆西村真悟・裁判始まる
 9日、弁護士法違反と組織的犯罪処罰法違反の罪に問われた衆院議員・西村真悟の初公判が開かれました。

 資金難に悩んでいた1997(平成9)年秋ごろ、元事務職員が保険金請求業務に精通していることを知り「その場で申し出を受諾」し、名義貸しを互いに利 用しあっていたそうです。

 また、大阪市内に西村真悟名義の弁護士事務所を非弁活動をするために開設し「国会議員の知名度や人脈を生かして依頼者を集め」ていた。
 報酬は「98年からの約6年間で約190件の示談交渉をこなして10億円近い保険金を受け取り、約3億円の報酬を得たとされる。」
 約3億円の報酬を得るために西村被告が面会したのは1人だけで「懐には報酬として保険金の5%が『ぬれ手であわ』で転がり込んだ。」
 ※因みに10億円の5%は5千万円です。

 「西村議員名義貸し、一部起訴事実を否認」(日本経済新聞 06/03/09)

 西村被告は『弁護士報酬として受け取ったものであり、犯罪収益を収受したものではない』と組織的犯罪処罰法違反罪を否認したそうです。
 西村被告の弁護側は「組織的犯罪処罰法が覚せい剤密売などの組織犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)を取り締まるために制定されたことを踏まえ、『弁 護士への適用そのものに疑義がある』として、適用の相当性について争う姿勢を示した」そうです。

西村真悟議員、起訴事実を一部否認 弁護士法違反事件」(朝日新聞 2006年03月09日)

 「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の第一条(目的)には下記のように書かれています。

 (目的)
 第一条 この法律は、組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動 への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることにかんがみ、組織的に行われた殺人等の行為に対する処罰を強化し、犯罪による収益の隠匿及び収受並び にこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を処罰するとともに、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例並びに疑わしい取引の届出等について 定めることを目的とする。

 弁護側がいうように「弁護士への適用そのものに疑義がある」との言は理解できません。
 非弁活動という違法行為で得た金を「濡れ手で粟」のごとく上前を刎ねていたのですから、法の一条が言うように「犯罪による収益の隠匿及び収受並びにこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を 処罰する」に合致するのではないでしょうか。

◆大阪弁護士会
 大阪弁護士会は昨年11月28日の西村被告逮捕時に「西村眞悟会員の非弁提携被疑事件に関する『会長談話』」(05/11/28)を出して(逮捕前の)「11月 25日、同会員には非弁提携行為があり、弁護士法第56条第1項に規定する『品位を失うべき非行』があったと思料し、(中略)懲戒の手続に付し、綱紀委員 会に事案の調査をさせているところです。」といっていましたが、弁護士の懲戒とは3ヶ月も4ヶ月も係るものなのでしょうか。
 何を調査しているのでしょうか?裁判の判決を待っているのでしょうか?

◆与党の辞職勧告決議案提出
 自民・公明の与党が、西村被告が弁護士法違反については罪を認めたことで、議員辞職勧告決議案を提出すると言っているのも何か不思議な気がします。
 何故、今の時期なのでしょうか? 逮捕された時点、有罪判決のでた時点でもよいのではないでしょうか?

 ニセ・メール事件で、調子に乗って民主党を攻撃する新たなネタにしているのでしょう。
 西村議員の品格の問題でなく、党利党略の材料とすりかえています。

◆変な表現
 大阪府教育委員会の汚職事件を受けて、内部調査をした結果、高級料亭での飲食接待や贈答品の受領など収賄まがいの行為を繰り返していた組織のトップ・教 育長を含む職員39名に処分が出されたとの報道がありました。

 上記、内部調査の結果については「残 日録」 (06/02/24)で取り上げました。

 処分の内容は下記にあります。
 「職員の処分について(教育委員会)」(06/03/10)
 「職員の処分について(知事部局)」(06/03/10)

 前回紹介した発表資料では、上宮学園関係者との関係だけを調査したと書かれていましたが、「その他の私学関係」で2名が処分されています。
 やはり上宮学園以外からも接待を受けていたのですね。職場の一部にたかり体質のような腐敗の雰囲気があれば、他の職員にすぐに蔓延するものです。大阪府 庁にたかり体質が蔓延しているのではないでしょうか?

 さて、今回取り上げたかったのは新聞の下記の記事です。

 「竹内教育長の処分は歴代の教育長が受けた処分の中では最も重い、という。」(読売新聞)
 「竹内脩(おさむ)教育長は減給(10分の1)3カ月で、歴代教育長で最も重い処分となった。」(朝日新聞)

 今回の処分内容と何を比較して「最も重い」と言っているのでしょうか?
 歴代の教育長も同様の不祥事を起こしていたのでしょうか?
 2紙が同じような言い回しで書いていることから、府庁側が「重い処分」を強調するために意図的にした記者発表を丸写ししているでしょう。
 竹内教育長が、歴代の教育長の中で初めて収賄もどきのたかりをしていたとか、一番品位のないバカな教育長だという記事ならわかりやすいのですが。
 記者発表を垂れ流すだけの新聞社は、大阪府庁、大阪府教育委員会の広報担当です。

 こういう記事を書いている新聞社が、
 「ことばは/感情的で、/残酷で/ときに無力だ。/それでも/私たちは信じている/言葉のチカラを。/ジャーナリスト宣言。/朝日新聞」
 と言っています。

 「教育長は減給3カ月 上宮学園接待で府・教委39人処分」(朝日新聞 2006年03月10日)
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