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06/04/04 新聞広告「人がまずあるのだ」

 サントリーが年度始めに毎年出している 新聞広告が好きです。
 時々の世相を反映しながら、新社会人へ先輩からのエールです。
 今年は4月3日の朝刊に下記のような広告がありました。少し長いですが全文を引用して紹介します。

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 新社会人おめでとう。
 今春、君はどんな仕事に就(つ)いただろうか。
 どんな職場であれ、君の新たな人生がそこからはじまる。
 仕事をする場所とは何だろう?
 会社であれ、工場であれ、仕事ができる場所は素晴らしい空間な
 んだ。どうして素晴らしいか? そこで何かが生まれ、何かが作
 られるからだ。仕事とは、何 かを生み、作り上げ、それが人々を
 ゆたかにするものだ。
 だから仕事には慈愛があり、尊厳があるのだ。
 それ以外を仕事とは言わない。
 社会が先にあったのではなく、人がまず何かを作りはじめたのだ。
 権力や、金を得るために仕事があるのではない。
 人がまずあるのだ。
 仕事は君の生き方だ。会社は君の生きる家なんだ。品位のある仕
 事は、君に品格のある生き方を教えてくれるだろう。
 こう話してもすぐにはわからないだろう。コツを教えよう。恋愛指
 南のようだが、君が恋人を好きなように仕事を好きになりなさい。
 君が最愛の人を愛するよ うに仕事を好きになりなさい。
 君が最愛の人を愛するように職場を愛することだ。そうすれば君
 は将来、人生で何よりも価値のある、誇りと品格を手にできる。
 とてもそうできそうにないっ て? それが大人の日々というものさ。
 そんな時は一杯シングルモルトウイスキーに
 聞いてみればいい
 「私は大丈夫でしょうか」
 「大丈夫ですって、乾杯」
                       伊集院静
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◇「仕事とは、何かを生み、作り上げ、それが人々をゆたかにするものだ」
 生きて、働き、稼ぎ、喰っているのは、新たな価値を創り出すことではないでしょうか?
 それも目に見えるものを。
 人々に有用なものを作り出すことが、自分を豊かにすることです。

◇「権力や、金を得るために仕事があるのではない」
 世の中の価値が「金や名誉や権力」にあるようなプロパガンダを受け入れていると、人間として大事なものが見えなくなってきます。
 品位と品格、慈愛と尊厳を感じられるような仕事をしたいものです。

◇「それが大人の日々というものさ」
 偉そうには言えませんが。
 人を好きになるように仕事を好きになってきました。
 誰かを愛するように仕事に愛着を持ってきました。
 仕事は生きる喜びでした。

 慈愛も尊厳も縁遠いことでしたが、悔いのない半生でした。

 今度もまた、こんな人生を生きてみたいと思います。

 モルトウイスキーに乾杯。。。

◆昨年の新社会人への新聞広告を取り上げた「残日録」(05/04/01) はこちらをご覧ください。
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