06/09/28 小泉純一郎の旅
「残
日録(06/09/14)」で、小泉首相(当時)が
広島での平和記念式典後の「被爆者代表から要望を聞く会」に5年連続で出席しなかったことを書きました。
8月6日前後の「首相動静」(朝日新聞)で、発表されている範囲で彼の行動を見てみました。
◆8月4日
◇09時56分:官邸
◇10時01分:閣議
◇10時26分:武部自民党幹事長
◇10時57分:矢野自民党参院国対委員長
◇11時05分:三谷内閣情報官
◇11時36分:尾辻秀久前厚労相、坂官房副長官補、谷崎外務省領事局長
◇11時56分:長勢官房副長官
◇12時30分:二橋官房副長官
◇13時57分:羽田空港
◇14時17分:全日空695便で同空港発
◇15時26分:山口県の山口宇部空港
◇15時32分:同空港内のVIP室で同県の二井関成知事ら
◇16時30分:同県下関市の「東行庵」作家の古川薫氏、同市の江島潔市長ら同行
◇17時36分:同市の「功山寺」。林芳正、福島啓史郎両参院議員ら同行
◇18時16分:同市の日本料理店「春帆
楼」で、二井知事、江島市長らと会食
◇21時28分:山口県長門市の旅館「大谷山荘」
さあ、今日から楽しい小泉純一郎の旅が始まります。
閣議はさっさと終え、留守番に色々と指図をして出発です。
山口宇部空港では二井知事らがお出迎え、あとは奇兵隊所縁の観光地などを訪ねて、高級ふぐ料理?で宴会でしょうか?
飲み食いの費用は山口県が持つのでしょうか?下関市、内閣府、、、どう転んでも自分の金を払っていないでしょうね。下衆の勘繰りでした。
《二井知事》は元自治省官僚、安倍晋三の総理就任に祝いの言葉を書き込んでいますが、自民党員である自らは党費滞納により自民党総裁選挙の選挙権がなかったそう
です。
《林参議院議員》は政治家4世という毛並みの良さですが、04年1月には夫婦の乗った車(運転者は事務所の職員)がタクシーに当て逃げの挙句、この職員
はタクシー運転手を恫喝したという事件もありました。(長周新聞「林芳正代議士の車が当て逃げ」)
《福島参議院議員》は元農林官僚で、来年の参院選比例区に自民党の公認が出ているそうです。自らのホームページで8月8日付けで、安倍晋三の推薦で森派
に入れましたと喜びの書き込みがあります。
《春帆楼》はオリックス直系の孫会社が経営する店で、ふくコースは21,000円から、会席料理が10,500円からという高級店です。
《大谷山荘》も当然高級旅館です。高い部屋は1泊50,000円だそうです。
◆8月5日
◇10時27分:宿泊先の山口県長門市の旅館「大谷山荘周辺を散策
◇11時08分:同県秋芳町の秋吉台・河村建夫衆院議員、福島啓史郎参院議員、上利礼昭町長ら同行
◇11時21分:鍾乳洞「秋芳洞」
◇12時21分:同県萩市の野山獄跡、野村興児市長、岸信夫参院議員、作家の古川薫氏ら同行
◇12時31分:同市の日本料理店「あじろ」で昼食
◇13時25分:萩博物館
◇14時17分:高杉晋作誕生地
◇14時35分:松陰神社、松下村塾 など視察
◇15時01分:吉田松陰誕生地
◇16時11分:山口市の常栄寺。渡辺純忠市長ら同行
◇16時55分:同市の瑠璃光寺、二井関成知事ら同行
◇19時24分:宿泊先の広島市南区の広島プリンスホテル
さあ、今日も楽しい旅の一日です。
見学、遊山は盛りだくさんです。秋吉台、秋芳洞、野山獄跡、萩博物館、高杉晋作誕生地、松陰神社、松下村塾、吉田松陰誕生地、常栄寺、瑠璃光寺と転記す
るほうも疲れるほどです。
本日のお付は、安倍晋三の実弟岸信夫ら山口県の歴々です。
《あじろ》はおこぜ会席が8,925円だそうです。昼からご馳走です。
この日は夕食が書かれていません。広島市内でお忍びだったのでしょうか?
8月6日付けの朝日新聞には、松下村塾を訪れ「志を持っている人は自分で成長していく」と浮かれた様子が伝えられています。日ごろから自分は吉田松陰、
安倍晋三を高杉晋作に重ねて語ることがあるそうですが、常栄寺の住職は「今の安倍さんはあまりよくない」と評されたそうです。
◆8月6日
◇07時50分:広島市中区の平和記念公園、原爆死没者慰霊式・平和祈念式に参列し、献花・あいさつ
◇09時39分:広島空港
◇09時49分:同空港内の貴賓室で扇千景参院議長
◇10時46分:全日空676便で同空港発
◇11時57分:羽田空港
◇12時28分:公邸
いよいよ、今回の旅の最大の目的の広島の平和記念式典への出席です。
エッと思いますね。
平和記念式典は8時00分から8時45分までです。
平和公園から広島空港までは凡そ50km、小一時間はかかるでしょう。(羽田空港−公邸間は約18Km:31分所要しています)
原稿丸読みの自分の挨拶が終わればとっとと会場を後にしたのでしょうか?
その後の行動にこの男の品性が現れています。
「被爆者代表から要望を聞く会」に何故でなかったのでしょうか?広島地裁での国の敗訴への控訴を画策していたからでしょうか。
彼は式典の挨拶で「政府は、被爆者の方々に対して、これまで保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護施策を充実させてきました。」と読み上げています。
空々しいことです。
何を慌てて広島を去る必要があったのでしょうか?
広島では地元選出の国会議員にも、知事にも、市長にも会っていません。
全日空は676便の後も、678便(14:25発)、682便(17:00発)、、と5便もあったのです。
広島に居りたくない訳、東京に帰らねばならない訳、、ミステリーですね。
12時28分に公邸に帰ってから何をしていたのでしょうか?
物見遊山の旅の疲れを癒していたのでしょうか?
◆8月7日
◇10時30分:官邸
◇10時40分:鹿取克章駐イスラエル大使、岡田真樹駐デンマーク大使、北村隆則駐ギリシア大使ら
◇10時56分:愛知万博協会の豊田章一郎会長
◇11時32分:与謝野経済財政担当相、高橋内閣府政策統括官
◇12時03分:安倍官房長官
◇14時54分:西田外務審議官、外務省の佐々江アジア大洋州局長
◇15時32分:川口順子参院議員
◇15時42分:郵政民営化委員会の田中直毅委員長
◇16時52分:谷内外務事務次官
◇17時19分:麻生外相
◇18時44分:公邸
遊んだ後は、しっかり仕事しなければなりません。朝は少々遅めの出勤ですが、一日外出もせずに執務しておりました。
今回の2泊3日の旅の目的は何だったのでしょうか?
平和記念式典への参加は長めに見ても55分間です。
安倍晋三の地元・山口で安倍シンパに囲まれて安倍の総裁選対策を話し合っていたのでしょうか。後は松陰、晋作所縁の地を訪ねる旅だったのです。
原爆の犠牲者や、原爆症で苦しむ人たちを馬鹿にした行動ではないでしょうか。
※平和記念式典は正式には「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」と称されるのですが、広島市は略称として「平和記念式典」を使っていますのでそれ
に倣いました。
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