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06/10/16 腹立たしきこと
 腹立たしきことの多い毎日です。
 官製談合、いじめ自殺、公務員の不祥事、、、

◆許せない中川昭一の発言
 何より、腹立たしく看過できないことは、自民党の中川昭一政調会長の下記の発言です。

 15日のテレビ番組での発言だそうです。この番組を見ておりませんので下記の記事によりました。
 ▽「自民政調会長、核武装論『議論は必要』」(日本経済新聞 06/10/15)
 ▽「『核保有、議論はあっていい』…中川・自民政調会長」(読売新聞 06/10/15)
 ▽「自民政調会長『核保有の議論必要』 首相は三原則を強調」(朝日新聞 06/10/15)

◇「憲法でも核保有を禁止していない。日本が攻められないようにするための選択肢として核ということも議論としてはある。議論は大いにしないといけない」 と明言した。(日経)
◇「(日本の)憲法でも核保有は禁止されていない。核があることによって(他国に)攻められる可能性が低くなる。あるいは、やれば、やりかえす、という論 理は当然あり得る。議論は当然あっていい」と述べた。(読売)

 憲法が「核保有」を禁止していないとは、どこから出てきた発言でしょうか?
 彼のいう「核」は「核兵器」「核武装」と同意語です。日本国憲法は前文及び第9条で軍隊及び軍備を持たないことを宣言しています。
 このような発言の危なさは、繰り返しされることにより「核兵器を持って、『大国』になろうか」風な世論が形成されることです。

 自民党政府は、憲法の解釈を自分たちの都合のよいように知恵を絞って捻じ曲げてきましたが、中川発言はその最たるものです。
 日本国憲法第99条は、中川昭一を含む国会議員たちに憲法を守らなければならないと謳っています。

◇「核があることによって攻められる可能性が低いという論理は当然ありうる。議論は当然あっていい」と述べた。(日経)
◇「核があることで攻められる可能性は低いという論理はあり得るわけだから、議論はあっていい」との認識を示した。(朝日)

 このような発言をする人が、北朝鮮や他の国の核保有をどうして非難できるのでしょうか?
 北朝鮮の論理も核兵器を持つことを他国からの攻撃の抑止力としているのではないですか。

 彼が守るべきものとは何なのでしょう?
 死の灰に埋もれた国土でしょうか?

◇「非核三原則という重たい約束がある。今すぐ(核保有)はしない」と説明。(日経)
◇「(日本には)非核三原則という重いルールがあるから、今すぐ(三原則を)取っ払うことはしない。私は核兵器を持つべしという前提で議論しているのでは ない。持つことのメリット、デメリットもある」と発言の真意を説明した。(読売)

 日本は先の戦争の反省に立って、また唯一の被爆国としての責任から、戦争の放棄、軍隊など軍備の放棄そして非核三原則を世界に誓ってきたのではないで しょうか。
 私たちにはすばらしく世界に誇れるこれらのことが、彼らには随分と迷惑なことのようです。

 日本政府は、イラクで核兵器(劣化ウラン弾)を使用しているアメリカ軍を支援し、08年から原子力空母を横須賀港に配備する計画を進めています。
 被爆国である日本の国是ともいうべき非核三原則(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)は、既にこの国の政府に踏みにじられているのですが。

◇「(北朝鮮の核実験などの)日本の周りの状況を考えたとき、当然持つべしという意見が出てきている。議論をする必要がある」と語った。 (日経)
◇「どう見ても頭の回路が我々には理解できないような国が(核兵器を)持ったと発表した。これは何としても撲滅しないといけない」とも語った。(読売)
◇「欧米の核保有と違って、どうみても頭の回路が理解できない国が(核を)持ったと発表したことに対し、どうしても撲滅しないといけないのだから、その選 択肢として核という(議論はありうる)」と語った。(朝日)

 他国の核兵器は悪で、自分たちの核兵器は善であるという彼の考え方(彼の「頭の回路」)にはついていけません。
 彼を政調会長に据えた自民党執行部の責任大です。

◆釈明
 予想どおり、中川自民党政調会長は15日の発言を誤魔化そうとしています。

 15日の発言を「『核武装には反対だ。非核三原則は守ると言っている』と述べ、核保有が前提ではないと釈明した。」(引用)

 「ただ、中川氏は『核保有を宣言した北朝鮮に、核を持たずにどういう対抗策が取れるのか、真剣に考える必要がある。その中で核を抜いて議論できないとい う趣旨で発言した』と論議の必要性を重ねて強調。非核三原則を堅持しながら核保有を論議することについて『矛盾しない』との見解を示した。」(引用)

 「核武装には反対 中川政調会長釈明」(北海道新聞 06/10/16)

 私たち日本国民は、核を持った北朝鮮などの核保有国をはじめとするすべての国にに対して、日本国憲法の考え方を示し核兵器の廃絶を訴えていく使命を担っ ているのです。
 核兵器に対抗して核兵器を持つということは、先の戦争の犠牲者への裏切りではないでしょうか。

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 わたしは原爆が投下されたときから、
 私たち日本人は、世界の歴史のなかで
 特別な使命を背負ったのだと思います。
 将来、核戦争などの不幸が起こらないためには、
 日本国憲法の考え方を大切にするしかない。
 そしてそのことを人類に示す使命を負ったのです。
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 ※井上ひさし著「子どもにつたえる日本国憲法」より部分引用

◆核実験
  1968年以降に行われた核実験は右表のとおりです。
 広島市のホームページの核実験への抗議文から抜粋してカウントしました。(日付は抗議文の日付であり実験実施日とは異なる場合があります)
 広島市ホーム > 原爆と平和 > 平和への取組み > 核実験への抗議文

 国別の核実験実施回数は左表のとおりです。
 どの国がならず者国家なのでしょう。
 世界の指導的立場に立って、核兵器不拡散条約(NPT)の精神に則って核兵器の全廃の筋道を示して欲しいものです。

 核実験の回数は減っていません。
 核兵器廃絶への道は遠いことです。

◆北朝鮮国民の反応
 週末にぼんやりとテレビをかけていたら、韓国の空港で北朝鮮の国民に核実験に対するインタビューの映像が流れていました。
 インタビューを受けた人は「誇りだ」「当然だ」などと語っています。
 そして、コメンテータは北朝鮮国民を含めて、北朝鮮がが狂気の国であるかのようにコメントしていました。

 私たちは、彼らをどうして笑うことができるのでしょうか?
 戦前、戦中の日本人も同様に、権力者のプロパガンダに踊らされて、戦争への道を走ってきたのではないでしょうか。
 先の中川発言などを見ていると「もはや戦後ではなく戦前」との思いを強くします。

◆栗東市長選挙
 滋賀県の栗東市では、新幹線新駅の建設の是非を問う市長選挙が告示されました。

 ▽建設凍結の前市議(民主党系栗東市民ネットワーク)
 ▽建設中止の元県労連事務局長
 ▽建設推進の現市長
 の3氏の戦いだそうです

 「新幹線新駅の是非争点 栗東市長選告示、3氏が立候補」(朝日新聞 06/10/16)

 建設凍結の前市議は民主党の推薦を受けているそうです。
 前市議の属していた栗東市民ネットワークは、新駅関連事業のための地方債の発行を差し止められた判決の控訴する議案に賛成をしています。

 この選挙では新幹線新駅の建設の是非が大きな争点の一つとなっています。
 知事選では「推進派」の現職知事を推薦し、選挙で敗れると「凍結派」の新知事に擦り寄り、市議会で「慎重推進派」と称する人たちに担がれた候補者を「凍 結派」などと厚化粧をして推薦するなどという姑息な手を使わず、新駅建設に対する態度を明確にすべきではないでしょうか?(残 日録06/10/05

 「民主県連幹事会開会 栗東市長選で田村氏推薦 」(産経新聞 06/09/18)

◆JR西日本事故の108人目の被害者
 JR西日本の福知山線脱線事故の犠牲者の事実上の妻が、「私からすべてを奪ったJRが憎くて憎くてたまりません」「彼は帰ってきたくても帰って 来られない。私が行くしかない」などと書かれた遺書を残して自殺されました。(「彼」「私」は原文では実名、以下同じ)

 この女性は13年間も被害者の男性と同居していて脱線事故で事実上の夫を亡くされています。

 この女性は脱線事故遺族ら集まり(4・25ネットワーク)にも出席し、戸籍上の夫婦でなかったことから「遺族扱いしてもらえない」と話していたそうで す。

 「彼にとって存在しない人として扱われた」
 「何でJRに更なる苦しみを受けなあかんの」
 「二人の未来を奪い、私から全てを奪ったJRが憎くて憎くてたまりません」
 「彼に会いたい 彼を返して」

 「『すべてを奪ったJRが憎い』恋人事故死の女性が自殺」(読売新聞 06/10/16)

 13年も同居していた男女は事実婚とみなされ、法的な婚姻関係と同様の権利が保証されているのではないでしょうか?
 JR西日本の対応が杓子定規だったのでしょうか。

 哀しい事件です。

 「事実婚」で認められている権利(ウィキペディア)
 ▽夫婦の同居・協力扶助義務(民法第752条)
 ▽貞操義務、婚姻費用の分担義務(民法第760条)
 ▽日常家事債務の連帯責任(民法第761条)
 ▽夫婦財産制に関する規定(民法第762条)
 ▽内縁不当破棄による損害賠償、内縁解消による財産分与(民法第768条)
 ▽遺族補償および遺族補償年金の受給権(労基法第79条・労基則第42条)
 ▽避妊手術の同意(母体保護法第3条)
 ▽各種受給権(厚生年金保険法第3条の2、健康保険法第1条の2、労働者災害補償保険法第16条の2)
 ▽賃貸借の継承(借地借家法第36条)
 ▽公営住宅の入居(公営住宅法第23条の1)
 ▽なお、双方が独身であることが確認されれば、住民票の続柄で「夫(未届)」「妻(未届)」と表記することが可能である
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