08/04/27
本の修理と自家製本
最近の本(書籍)の製本は、生
産の効率化のために本の背を糊で貼り付けた無線綴(むせんとじ)という方法で作られています。
古書で買った「山頭火の本」(全16巻)が無線綴であったため、数冊が右の写真のよう
にバ
ラになってしまったことを書きました。(残
日録
041026)
Webサイトに本の修理ができそうなことが書かれていたので、やっと挑戦してみました。
◆参考とした資料など
参考にさせてもらったWebサイトなどはこちらです。
▽とじ方、道具か
ら折丁印刷まで 手作り製本・・・「本」について色々なことが詳しく書かれています。大変参考になりました。
▽豆本を作る・・・豆本作りのサイトです。糸を使った綴じ方は大変参考になりました。
▽おまめの豆本作り・・・豆本作りの本ですが、「豆本」に特化されていてもう一つ参考にはなりませんでした。
◆道具や材料
道具や材料は殆どは東急ハンズで調達可能です。
特殊な道具は使っていません。
▽糊・・・製本専用の糊もありますが手芸用ボンドで十分だと思います。
▽クランプ・・・小さな万力のようなものです。
▽板・・・本を挟んでクランプで押し付けるために使います。
▽鋸・・・糸鋸や金鋸の歯だけで十分、糸綴じの穴あけや無線綴の糊付けに使います。
▽他に材料として、寒冷紗、栞、花布、ボール紙、表紙用の和紙、着物地の端布など
◆修理
バラけた「山頭火の本」は、板に挟みクランプでしっかりと締めます。(本の背を板から2、3ミリ出しておく)
本の背に、約5ミリおきに切込みを入れます。
背にボンドを塗り、歯ブラシでボンドを擦り込みます。
乾いてから、背表紙などを貼り付け復元しました。
◆自家製本
本の修理がうまくいったことで、知り合いとの言葉遊びの句を整理して「本」にしてみました。
印刷用紙は「両面印刷対応ハイパーレーザーコピー」を、表紙には友禅柄の和紙使いまし
た。
他にも東寺の弘法市で買った着物地の端布でも表紙を作ってみました。
布は扱いなれていないので少してこずりましたが、思ったより小奇麗に出来上がりました。
これからは、山頭火の句などをパソコンに打ち込み、豆本にしてみたいと思っています。
◆映画
「4ヶ月、3週と2日」
住んでいる集合住宅の大規模修繕とかで落ち着きません。あまり見たい映画もなかったのですが、京都シネマに
出かけました。
チャウシェスク独裁時代の1987年のルーマニアを舞台とした青春映画ですが何とも重い映画でした。
大学の寮のルームメイの妊娠中絶を助けようとする主人公の慌しくもサスペンスな一日が描かれています。
ホテルを予約するにも、ホテルへの出入りにも身分を証明するIDが必要なこと、貧しい人たちと一部の豊かな人たち、闇のタバコ売り、泥濘の道路のそばを
走る綺麗な電車、、チャウシェスク時代の影が描かれていて興味深い映画でした。
少し気になったこと。
主人公が、妊娠中絶をする男の荷物から抜き取ったナイフと、その男がホテルに忘れたIDカードの行方が描かれておらず引っ掛りました。
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