08/05/16 映画「今夜、列車は走る」
映画の話題が続きます。
日本の国有鉄道(国鉄)は1987年4月に分割民営化されています。アルゼン
チンの国有鉄道は1990年代に民営化されています。
映画「今夜、列車は
走る」は、民営化され設備の老朽化を理由に廃線が計画され解雇された労働者とその家族の物語です。
会社は姑息にも解雇ではなく、自主退職のサインを強要します。
老鉄道員は、自主退職のサインを拒否し修理工場で寝泊りをしています。
妻に近所の男がやっているマルチ商法をやってみればといわれるが、如何わしい商売にははまりたくないと職に就けない男は、銀行から住まいの明渡しを要求
されています。
難病?の子どもを持つ男は、妻に内緒に言えない職探しです。
子どもの酸素吸入器を借りるための役所で、「解雇されたのではなく、自主退職のサインをしている」からと断られてしまいます。
ある男は、もぐりのタクシー運転手(小口の運送屋)をしています。
テレビの配達を頼まれた元鉄道員は豪勢な邸に住んでいます。この男は女房を使って労働者を売っていたのです。
ダンディなオヤジだった鉄道員は、娼婦のもとに通う金もなくサンドイッチマン紛いの仕事をしています。
退職した彼らを待っているのは、鉄道員としての誇りを奪われ、就職もできない厳しく閉塞した現実です。
「今夜、列車は走る」のタイトルどおり、ある夜列車は走ります。「列車は私たちのもの」(うろ覚え)と書かれた横断幕を掲げて機関車が走りだします。
世の中は効率第一、金儲け第一です。金儲けのために労働者を虚仮にするくらいは朝飯前のことでしょう。
中々、考えさせられる映画でした。
こちらのサイトも参考になりました。
「映
画『今
夜、列車は走る』から、日本とアルゼンチンの国鉄民営化を振り返る」
劇場
の予告編を見て、観てみたい映画です。
◆「休暇」
マスコミが煽る被害者感情を反映して、犯罪の厳罰化が進んでいるように思います。(「残
日録」08/03/21)
そして、死刑の執行件数も、鳩山法相になってから急激に増加しています。今年は既に7人の死刑が執行されています。
以前、大塚公子著「死刑執行人の苦悩」を読みました。
死刑執行を行う刑務官に取材したノンフィクションです。
仕事とは言え、人を死に至らしめる(殺す)ことに悩む人たちのことが赤裸々に書かれていました。
映画「休暇」は、死刑執行とそれに関わる刑務官の物語だそうです。
この映画は、山梨日日新聞創刊135周年(山梨放送開局55周年)の記念事業だそうです。
公式のWebサイトより、豊富な
情報があります。http://www.ybs.ne.jp/2008kyuka/
◆「花はどこへいった」
ベトナム戦争で、アメリカが使った枯葉剤を取り上げた映画です。
この化学兵器の後遺症は今でも続いているそうです。
ベトナムが観光地となり、多くの日本人も訪れているそうです。是非、ベトナム戦争のことも思い出してほしいものです。
◆業績
不振を労働者の責任に転嫁
映画「今夜、列車は走る」でも描かれていましたが、経営者は、業績不振(悪化)の責任を労働者に押し付けています。
日本の国鉄の解体、分割、民営化も、郵政の民営化も、私が失業している現実も、経営者の責任を労働者に転嫁した結果です。
大阪府の橋下知事も同様に、財政破綻の責任を労働者や府民に押し付けようとしています。許し難いことです。
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