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08/05/29 拝金主義者の末路
 過去に働いていた会社が不正な 取引により破綻したことは、過去(残 日録07/2/1)に書きました。
 ゴールデンウィーク明けに、ある機関から任意の事情聴 取を受けました。
 事件の発覚から1年半近くなっても、
当時の経営者たちへの追求が続いているを知りました。事件がうやむやに決着するので はなく、悪しきをしっかりと追求して欲しいと思っていたので、少しは安心できました。

 また先日、新聞社からの取材を受けました。新聞社からの情報では近日中に社長(当時)の逮捕を始めとする強制捜査が入ることを聞いていました。

 そして今朝、各紙は経営幹部(当時)の事情聴取、逮捕を報じました。
 各紙の報道内容(見出し)

◆○○前社長ら聴取へ △△地検特捜部 決算粉飾の疑い(朝日新聞)
◆○○元社長らきょうにも逮捕 △△地検 粉飾決算の疑い(毎日新聞)
◆○○元社長きょう逮捕 幹部4人も 架空循環取引で粉飾 △△地検 (讀賣新聞)
◆○○粉飾 旧経営陣きょう逮捕 △△地検 売上高水増しの疑い(日本 経済新聞)
  ※○○は破綻会社名、△△は地検所在地名


 専務取締役でCFOであった男は強制捜査の対象にはなっていないようです。

 このような犯罪はどうして起こり、巨額になるまで分からなかったのでしょうか。

◆根っこにあるのは、お金が一番だとする拝金主義にあると思います。
 企業を上場させて市場から金を集め、株価を吊り上げ、悪知恵のある輩が売り抜けて売却益を得ていくのです。
 金の奴隷となった連中の悪の連鎖としか言いようがありません。

◆およその経緯
◇街のソフトハウス(コンピュータシステム開発会社)だった会社に、A社が株式を上場させ上場益を掠め取るために出資してきました。
 株式を上場するためには、その市場の上場基準(例えば売上高○○億円以上とか)をクリアしなければなりません。
 上場基準を満たすために「無理をした」数字を計上する必要があります。

 A社、A社の幹部一族、今回逮捕された社長は、株式のX市場に上場直後に、B社に株式を売却して巨額の利益を得ています。

◇A社から株式を買い取り筆頭株主となったB社は、柳の下のドジョウを得るためにY市場への上場をすることになります。
 Y市場に上場させた直後に、B社と当時の社長はC社に株式を売却して巨額の利益を得ています。
 今回の強制捜査の対象は、Y市場への上場前の決算に粉飾があったと見ているようです。

 X市場からY市場への上場を果たすためになりふりかまわない数字合わせがあったことでしょう。
 これはY市場への上場基準を満たすことよりも、上場時の売出価格を吊り上げるものだったと思われます。

◆犯罪者とその加担者
◇実行犯
 社長、専務、常務、営業本部長など当時の役員は夫々の立場で犯罪を犯していました。
 誰にも知らなかったことということはできません。
 架空、循環取引、粉飾決算は社内では周知の事実だったのです。

◇A社、B社
 今回、捜査対象でもなく、報道の対象でもありませんが、粉飾決算を煽った結果上昇した株価で売り抜けて巨額の利益を得た人たちも、粉飾の事実は知ってい たはずです。

◇監査法人
 この会社の当時の監査法人は、その職責を放棄していたように思います。
 監査人は、対象会社が雇うのではなく市場(例えば東京証券取引所)が雇って監査すべきだと思います。

◇幹事証券会社
 幹事証券会社は、株価を維持或は上昇させるために、経営者を煽った罪があります。
 02年に25億円だった売上が、4年後の06年には400億円を超えています。この会社でしか出来ないような特殊な商品を持っていない「ソフトウエア開 発会社」の売上として不思議と思わなかったのでしょうか?

◇すべての社員
 私を含む当時在籍したすべての社員にも応分の責任があると思っています。
 みんな、少し多い賃金に悪事に手を染め、或は目を瞑ってきました。


 書き足りませんが、もう少し整理して改めて書いて見ます。
 各種の報道で、ご心配いただいた方もおられますが、私は今回の捜査対象時期には既に退社しておりました。また、在籍時にもっと積極的に社内で闘うべき だった、内部告発をすべきだったとの反省はありますが疚しいことは一切ありませんのでご安心下さい。
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