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09/09/29 交々のこと

◆自民党総裁選
 一般の人間はマスコミを通じてしか知ることができませんが、先月まで政権を握っていた政党とは思えない
何とも低調な総裁 選挙でした。
 2世、3世、官僚出身者の争いは、当事者である自民党員にとっても詰まらん選挙だったようです。党員の投票率が全国平均で46.65%、もっとも低かっ たのは長崎県の32.63%しかありませんでした。(自民党のWebサイトより)

 先の自民党Webサイトの総裁選挙結果を見て驚いたことの一つに、選挙人(党員)が108万人もいることでした。そういえば私も大手の情報処理会社で管 理職に昇進した時、総務課長から強制的に自民党に入党させられ党費まで徴収されていました。
 108万人の中にも、そのような水増し党員が紛れ込んでいることでしょう。

 もう一つは一票の格差です。都道府県ごとに候補者への配分する票数が決められているのですが、東京都は党員が83,310人に対して配分される票は15 票(一票当り5,554人)、沖縄県では党員6,140人に対して4票(一票当り1,535人)です。
 東京都と沖縄県の1票の格差は3.62倍もあります。党内の手続きだけですむことなのに改善されない、そんな声が出てこない?民主的でないですね。

◆鈴木邦男さん
 9月25日の残日録(日々好日かな)で
マガジン9条」 での鈴木邦男さんの発言を紹介しました。
 大きくは、国は成功者に勲章をやる必要はない、政治の目的は弱者のためにある。国は過ちを認め謝罪することが大事、多喜二などを殺した日を国民の休日に して過ちを忘れるなの2点でした。

 今日は鈴木さんのWebサイト(鈴 木邦男をぶっとばせ!)より、同趣旨の「革命家・大杉栄について講演した」の記事を紹介します。
 鈴木さんは大杉栄所縁の新潟県新発田市で
「大杉栄と三島由紀夫 =私が魅かれる理由=」と題して講 演されたされたそうです。もともとのテーマは「大杉栄と小林多喜二 =国家に虐殺された思想家=」だったそうです。共産主義者と無政府主義者をテーマとして右翼活動家が講演するという誠にユニークな催しです。

 講演の案内チラシの内容は以下のようだったそうです。
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 今年没後40年目を迎える三島由紀夫の自決をきっかけに 反米愛国を掲げる「一水会」を設立した鈴木は「左右を弁別すべからざる状況」と語った大杉栄に強いシンパシーを感じ続けている。「あらゆる強制に反対」す る立場から、「日の丸」「君が代」の強制への反対を唱え、昨年は、映画「靖国」の上映に賛同のメッセージを送り、右翼から攻撃された。
 “異色の愛国者”が、大杉栄の故郷、新発田で何を語るのか…
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 幸徳秋水は高知県中村町(現四万十市出身)で1911(明治44)年1月24日、大逆事件の罪に問われで死刑になっています。
 大杉栄は香川県丸亀の生まれだが、4歳から14歳までの10年間を過ごした新発田を自分の故郷だと大杉は言っていたそうです。1923(大正12)年9 月16日、関東大震災のとき虐殺されています。
 小林多喜二は秋田県下川沿村(現大館市)の生まれで4歳の時に小樽に移住しています。1933(昭和8)年2月20日、特高警察によって虐殺されていま す。
 小林多喜二以外は良く知りませんが、明治、大正、昭和とそれぞれの時代に社会の矛盾を正そうとした人たちでした。
 大杉栄の言葉として引用されている言葉は立場の違い、世代の違いを超えて今でも心に響く良い言葉です。
 「思想に自由あれ、しかしまた行為に自由あれ、さらにまた動機にも自由あれ」

 鈴木さんは四万十市、新発田市、小樽市の三つの町は、国家権力によって殺された3人を排出した名誉ある都市だから姉妹都市になったら良いといわれていま す。

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暗い時代の日本に呻吟し、「こんなものは日本ではない!」と絶叫し、殺された3人だ。人が自由に、平等になることを夢み、実践しただけで殺される。そんな 日本は、「本来の日本」ではない。「お前は非国民だ!」と言って殺した憲兵や警察。お前たちの方こそが「非国民」だ。「大逆」だ。人殺しめ!
--------------------(引用)

◆堺市長選挙
 9月27日の残日録(JR西日本の体質は変わらない) で首長選挙で
自民、民主などの相乗りがなくなっていると書いたのは誤りでした。
 大阪府堺市の市長選挙で懲りずに共 産党を除くオール与党の現職を自民、公明が推薦、民主党、社民党は地元組織が推して実質的に相乗りをしていました。
 選挙結果は橋下大阪府知事が推した大阪府庁OBが当選しています。この橋下知事の市長選の支援に対し疑問視する意見も出ています。
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 首長からは「橋下流」への批判が噴出した。大阪府北部の市長は「政治家が特定候補を応援するのは悪くないが、よその家をかきまわすような口の出し方はよ くない」と不満げだ。大阪府市長会の会長、倉田薫・池田市長は「対立すると『刺客』を送り込まれるぞ、と感じさせる結果。府内の首長に恐怖心が広がるだろ う」とみる。
---------------------「主役は橋下知事だった 大阪・堺市長選」(朝日新聞 09/09/28)

◆鳩山内閣と東京オリンピック
 鳩山首相が東京オリンピックの誘致のためにIOC総会(コペンハーゲン)まで行くそうな。石原都政の与党だったから東京オリンピック誘致は同じ穴の狢と いうことだろう。
 東京オリンピックの招致費用は150億円で、そのうち東京都の税金から100億円が支出されるそうだ。
 石原都知事は新銀行東京への400億円の追加投資(自民、公明で可決)をしていて金銭感覚が狂っているのでしょうか?
 東西の知事があほんだらで困るのは都民、府民です。

 鳩山首相は調子に乗りすぎて厄介なことに首を突っ込まないほうが良いのではと老婆心ながら。

◆阿修羅展
 東京、福岡と阿修羅展は好評のうちに閉幕し、阿修羅は興福寺に戻ります。
 10月17日〜11月23日の期間、興福寺で「お堂でみる阿修羅」として公開されます。
 秋の一日、奈良に足を延ばしたいですね。

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